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2020.07.26 Sunday
アルキメデスの大戦
こないだWOWOWでやっていた「終わった人」という映画を見た。
舘ひろしが定年後のサラリーマンを演じていて、なかなか面白かった。 舘ひろしというと、「太陽にほえろ」とか「西部警察」、「あぶない刑事」などの刑事モノで記憶していたが、いい年になってコメディもできるようになった。 その彼が山本五十六の役をやっている「アルキメデスの大戦」を見た。 あの刑事役でサングラスでバイクに乗っていた彼が、山本五十六の役をやるなんて想像していなかった。 別に舘の身内ではないが、感無量だ。 「アルキメデスの大戦」は、史実に基づいているが、基本的にはフィクション。 数学には世界を変える力がある、と思うに至った若き数学者のドラマ。 関東軍の暴走、大艦巨砲主義にこだわる海軍、財閥との癒着などが描かれる。 阿川弘之の戦記物を読んでいると、背景がよくわかる。 この映画だけを見ても、よくわからないかもしれない。 海外ドラマでも物理学者が主人公のものがある。 扱うのはもっとモダンな数学で、それと比べるとだいぶレベル差がある。 邦画で理科系のドラマを作ると、こういうふうになってしまうのか、と思う。 単に数字の記憶力がいいとか、計算が速いとか、資料を一晩で読んでしまうとか、そういう描き方になってしまう。 もっと専門的なアドバイザーを入れて、ちゃんと作ったほうがいい。 ともあれ、戦艦大和の誕生ストーリーとしては面白い。 この艦を設計した意図は、日本がアメリカと戦争をしたときに、最後に出撃し凄惨な最期を遂げることで、日本人に戦争を止めさせるという意図だという。 それ自体は、なかなかよくできたフィクション。 一度始めると、やめられないという日本の失敗のパターンをよくわかっている。 今のコロナ対策と同じだ。 何となく精神論で終わってしまう。 そこが日本の映画なんだろう。 今の日米の差を表している。 |
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