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2020.06.27 Saturday
宮口精二
いかにも文学者という感じ。
何となく太宰治を彷彿とさせる。 芥川龍之介もこんな感じだったのかもしれない。 和服の似合うおじさんだ。 「男はつらいよ」の第13作「寅次郎恋やつれ」に出てくる。 吉永小百合の小説家の父親役。 台詞は少ないが、この作品は宮口精二で見せる。 ぼくにとっては、この作品以外で見たことはあまりない。 1974年の作品。 一度見たら忘れられない存在感の役だ。 出演した映画は山ほどあった。 ただ、彼が出ていた頃(主に1960年代)の邦画は、ぼくはほとんど見なかった。 淀川長治の日曜洋画劇場ばかり見ていた。 黒澤明の「七人の侍」にも出ていたらしい。 彼が柴又のとらやに、娘の歌子(吉永小百合)を迎えに来るシーンは、数ある「男はつらいよ」の中でも名シーンだろう。 ずっと喧嘩状態だった父娘が和解する場面。 「何も君が謝ることではない。謝るのは多分私の方だろう」と、訥々と話す。 とらやのみんなが涙する。 昭和の名優だろう。 1985年に72歳で亡くなった。 この映画は何度見てもいいと思う。 |
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