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2020.04.18 Saturday
LPレコード
次男がこないだ東京から帰ってきたとき、レコードを聞きたいという。
山下達郎にちょっとハマっていて、そのレコードを聞きたいということだった。 ぼくは山下達郎は「Circus Town」でデビューしてから、竹内まりやと結婚するまでの9枚ほどのLPを持っている。 それ以降を持っていないのは、竹内まりやと結婚してから、吉田美奈子とのコンビを解消したので、歌詞やコーラスがつまらなくなったからだ。 吉田美奈子のコーラスがあって、初めて山下達郎は山下達郎になったと思う。 それはさておき、10年ほど前に買った1万円ちょっとの安いフルオートのレコードプレイヤーにレコード盤を置いて、スイッチを入れる。 アンプも久しぶりに火を入れるので、ちゃんとつくか心配だったが、無事作動した。 左のスピーカーが音が出ず、ちょっと苦労したが、なんとか聴けた。 レコード盤の愛好家はいるようだが、ぼくは単に捨てられないだけだ。 若い頃に何度も聴いたレコードはなかなか捨てられない。 ぼくらの世代はそういうものをたくさん持っている。 レコードはもちろんのこと、カセットやオープンリール、VHSや8mmビデオ、そしてMD。 今やCDもそんなに売れず、新世代の人たちはストリーミングで聴く。 もう音楽はデーターだ。 過去のメディアはどんどん再生しにくくなっている。 ぼくらがこの世から姿を消すときには、もっと減っているだろう。 レコード盤に針を落としたとき、そこから小さな音が出る。 原理を考えたら、それくらいのことはあるだろう。 溝の両側に左右のスピーカーから出る音の振動が切ってあるのだから、当然だ。 でも、ほとんどレコードを見たことがない若い人にとっては新鮮なのかもしれない。 MDやCDになって、途中の曲から聴くのは簡単になった。 でも、レコードでは難しい。 途中の曲から聴きたいければ、針をそこに落とさないといけない。 音楽を聴くということは、そういう不便さを伴っていた時代。 誰かが、レコードプレイヤーの前で正座をして、ありがたくレコードを聴くというようなことを言っていた。 それは大げさだが、レコードを扱うときには、何となく厳かな気持ちはあったと思う。 音楽にカリスマがあった時代だ。 いまはそういうものは消えた。 気に入らなければどんどん飛ばす。 音楽は消耗品になったのだ。 それは時代の流れだし、いつでも、どこでも聴けることはいいことだと思うが、ぼくはちょっと残念だ。 やはり老兵は去りゆくのみ…。 |
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