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2020.03.26 Thursday
同調圧力
今夜テレビを見ていたら、イタリアの学会が治療のガイドラインを出したとのこと。
その内容を要約しているサイトによると、 「ガイドラインの執筆者は複数の医師だが、高齢で回復が望めそうにない者、余命の短い者を見捨てるという厳しい結論を出している。年齢に加え、持病の有無など患者の全般的な健康状態も考慮すべきとされている。これは深刻な持病のある患者の死亡率が高いとされていることに加え、高齢や虚弱な患者のほうが治療に時間がかかり、よりリソースを消費するためだという。ガイドラインでは、新型コロナ患者以外で集中治療を必要とする患者にも、この判定基準を当てはめるとしている。」 イタリアでは院内感染も起こり、医療従事者の多くも感染し、集中治療室や人工呼吸器も足りない状態になっている。 医療崩壊の状態だ。 当局は「これは戦争だ」と言っているらしい。 そういう状態であれば、誰かがこういうガイドラインを決めないといけないだろうし、それはある種アタリマエのことでもある。 厳しいが、正しいことだ。 それを決めることで、個人の負担を減らし、効率的に治療をすすめることができる。 もちろん、こういうガイドラインを定めても、難しい判断を迫られることもあるだろうが、その判断を下してもガイドラインが責任を担保するのだ。 そのためのガイドラインだとも言える。 ところが、番組の司会者は「これはひどい」というニュアンスでコメンテーターの医師に「どう思うか」と聞いた。 聞かれた方も、それについては直接答えず、こういう状態にならないことが望ましいと婉曲表現した。 どうして日本ではこういうことがストレートに言えないのか。 イタリアの状況を考えると、このガイドラインは当たり前の措置だと思う。 「この状況で、助けられる人を最大限にするための措置だ」となぜ言わないのだろうか。 命は大切だ、ということは言われなくてもわかっている。 それでも、こういう判断をしないといけないときがある。 それは厳しいが仕方ないことだ。 それをちゃんと言えない日本は、また戦前のようになっている。 「空気」を恐れて、正しいことが言えない。 これはよくないことだぞ。 |
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