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2020.02.16 Sunday
FFのBMW
ずっと後輪駆動(FR)にこだわってきたBMWが、コンパクトカーの1シリーズを前輪駆動(FF)にした。
いつかはそうなるとは思っていたが、その「いつか」が来たということだ。 FFで大丈夫かという記事もあった。 BMWがFRにこだわっていた原因は、主に前後の重量配分だと思う。 FFにすると、前にエンジンと駆動、操舵装置が集まるので、前が重くなる。 理想的な配分50:50にならないのだ。 さらにFRは部品の数も多い。 エンジンが前で、駆動輪が後ろになるから、エンジンの回転を伝えるためにドライブシャフトが必要になる。 FFにするとそれが要らなくなる。 一方で、前後輪で操舵と駆動を分担するFRと違って、FFでは前輪で両方を受け持つので、余計な問題が出てくる。 一つは摩耗。前輪の摩耗が大きくなること。 もう一つは、駆動をかけると、ステアリングに影響がある(トルクステアという)があること。 一番大きいのは、重量配分によるステア特性だ。 普通に走っているときはあまりわからなくても、キツイ操作をすると違いがわかる。 四足の動物が走るとき、前足は方向を変え、後ろ足は地面を蹴って駆動力を与える。 それが合理的なのだ。 だからこそ、BMWは頑なにFRにこだわってきた。 BMWのマーケティングでは、1シリーズの購買層は駆動方式にはこだわらないということらしい。 本当だろうか。 1シリーズは他の対抗車と比べても値段は高い。 現在のBMWはミニを作っているから、それなりに完成したFF車を作れると思う。 しかし、いくら完成したFFであったとしても、所詮FFだ。 1シリーズの上のグレードはFRなのだから、BMWのマーケティングは失敗するような気がする。 FRの駆動形式をDNAとしてきたBMWがそれを捨てるのは、いかにも惜しい。 高くてもいいから、そういうメーカーが残ってもいいのではないか。 将来のEV化とか、自動運転車とか、いろいろと思惑もあるのだろう。 電池を積むことを考えると、FFのように駆動、操舵をコンパクトにまとめておいたほうがいいのかもしれない。 それでも、BMWにはFR車を貫いてほしいとぼくも思う。 せめてBMWくらいは、車のロマンを追求してもらってもいいのではないか。 |
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