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2020.02.09 Sunday
孔子はエライ
今までオレサマ化とか、キレる高齢男性とか、書いてきたが、高齢者が増え、寿命が伸びるに従って、こういう人が増えてくる。
実際、そういう人を街中でも見かけることがある。 怒っているオジサンを見ると、哀れな気分になる。 日経ビジネスに高齢の客のクレームの話が出ていた。 電話で説教をする高齢者が、最後は詫び状を持ってこさせて、それを額に入れていくつも飾っている、ということだ。 数十枚の詫び状が表彰状にように飾られていたとのこと。 謝りに行った人は「多分、他にやることがなく暇で、人を謝らせることが趣味になっているのではないか」と思ったとのこと。 本当にこういう老人がいるらしい。 第二の人生をうまくスタートできなかった高齢者が、こういう道を歩みやすいということだ。 再就職もうまくいかず、趣味を始めても疎外感があってやめる…というような状況。 もちろん、こういうことができるくらいだから、経済的にはそこそこ余裕がある。 現役時代に高い役職や地位にあった人に、その傾向が強いと思われる。 有り得る話だ。 中には若めのシニアで、ネットクレームのメールを出すのを趣味にする人もいるらしい。 これが生きがいになっているとのこと。 徹底的にマニュアルなどを読んで、理論武装して、問い合わせのメールを出すという作業が癖になる。 消費者の権利を行使している、ということで法的には問題ない。 しかし、そういう行為が世の中の無駄な仕事を増やして、ただでさえ低い生産性を下げて、経済的にマイナスだということをわかっていないのだろう。 高齢者の犯罪も、人口の高齢化率を上回って増えている。 原因は経済的なものもあるが、何もすることがないから犯罪を犯すということもある。 鉄道の駅で暴力行為をした加害者の25%が60代以上で、最も高かったらしい。 こうなると、人生が100年と言って喜んでいられない。 何もすることがないと、人間ロクなことをしないのだろう。 記事の中の医師の話によると、 「趣味を持たず、働きもせず、体や頭を使わずにいると、『相手の立場に立って人の話を正確に最後まで理解する力』を脳が失っていく。理解できないことがあると、人間の脳は血流を増やし、血圧を上げて無理やり働かせようとするため興奮状態に陥る。これが、『キレる』ということ」 ということらしい。 孔子の時代、70歳まで生きたら十分長生きだった。 彼が残した言葉によると、60歳では「六十にして耳順がう」(何を聞いても素直に受け入れることができるようになる)、70歳では、「七十にして心の欲する所に従えども、矩(のり)を踰(こ)えず」(心の思うままに行動しても、人としての道理を外れない)とある。 エラい人は老境でも立派だということだ。 人生の終わりかけになって、クレーマーや犯罪者にはなりたくない。 孔子のようにエラくもない普通の人間が70歳を遥かに超える人生を、まともに生ききるにはどうしたらいいんだろうか。 まずは仕事を長く続けることだろう。 といっても、周りの足を引っ張るようになっては、働けない。 世の中の役に立てる間は仕事をしたいのだが…。 とにかく、健康に留意して、長く働くことは大事だ。 趣味も、そんなに長く続けられないような気がする。 歳を取ると、意欲も減退して、何かを続けるということ自体が難しくなる。 それを予防しようとすると、一人でやるのではなく、グループでやらないといけないと思う。 聞くところによると、人間の脳の機能の大部分は人間関係を維持する、ということのようだから、人間関係がなくなると、脳の大部分の機能は使われず、脳がダメになる。 だからこそ、人とつながっている、ということが大事になる。 そうなると、外に出ないといけない。 ぼくは寝るのが好きだから、ちょっと身体が動けなくなると、寝たきりになるような気がする。 困った話だ。 こんなことを考えていると気が滅入る。 散歩に行くことにする。 |
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