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2020.01.10 Friday
低成長の現実
人手不足というけれど、中高年の転職市場は厳しいという。
一部で売り手市場という声もあるが、それは一部の業界だけ。 実際の一般職業紹介の求人倍率は1.5を超えている。 つまり、求職者1人に対して、1.5人分の求人が来ているということだ。 だから、売り手市場ということにもなる。 しかし、中高年の求人市場は難しい。 どこの会社もそれらの人たちは余っているからだ。 だから、必然的に求人の条件は厳しくなる。 「余人を持って代えがたい」能力やスキルがないと、なかなか求人市場で転職できないのだ。 つまり、現在余っている中高年を抱えている企業が出す求人は、ハードルが高いということになる。 日本はこの20年ほど、低成長の真っ只中。 GDPの伸び率はコンマ以下だ。実質的にはマイナスという声もあるくらい。 そんな中で、「使える中高年」を中途で採用したいという求人だから、そう簡単に見つからなくても構わない、というものばかり。 もしもいたら、採用しよう、というのが人事の考えていることだ。 儲かっているのは、中高年の転職支援の会社だけで、実際の求人は充足しない。 そういう状態がこのところずっと続いているのだと思う。 少子高齢化だから、若い人は絶対数で足りない。 建設業やサービス業は本当に人が足りない状態だ。 正月に行ったホテルでは、明らかに日本語がおかしいアクセントの従業員がゴロゴロいる。 インバウンドの客が多くなっているのだろう。 若い人でさえ、そういう外国人に職を取られている状態。 おそらく、外国語が話せない日本人の若い人は、レストランの裏方などに回されているのだろう。 転職を考える中高年が狙う事務的職業の有効求人倍率は0.43だという、 さらに、ハローワークの従業員1000人以上の企業の求人数は、従業員29人以下の企業の1/60しかない。 これが低成長の現実。 その大企業の求人はハードルが高いもの。 自社の中高年の余った人材ではできないことを求めるために、求人をしている。 AIの技術を導入したいとか、海外の企業との提携を進められるとか、海外の財務会計がわかって査定ができるとか、そういう求人だと思う。 でも、余った中高年はいつまでも会社に留まってはおれない。 そういう時代になってきた。 だから、自衛のために自分ができることを早く棚卸しして、何が足りないのか、どうやってそれを習得するのかなど、考えないといけない。 それが長く働くためには必要だと思う。 いつまでもお荷物の人材をおいてはおけない。 それが低成長の時代だと思う。 |
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