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2019.09.08 Sunday
蛍草 菜々の剣
BSの時代劇でやっていた。
武家の娘が、町人として武家に奉公し、偶然にも親の仇に出会い敵討ちをするという話。 書いてしまえば1行の話だが、一人で生きる菜々と周りの人たちの交流がいい。 仇討ちを描いた人情噺だ。 葉室麟の時代小説。 以前、葉室麟は同じようにドラマで見て「銀漢の賦」を読んだ。 この人の小説は、義理人情の世界だ。 時代劇は細かい約束事がなく、物語のエッセンスを描くことができる。 これがいいのだろう。 電話やパソコン、スマホもないし、何かを伝えるには会うしかない。 メールやSNSもないので、誰かの情報は本人か知り合いに聞くしかない。 写真も撮れないので、人の顔は覚えておくしかない。 時代が進んで便利になった。 便利になったことは、いいことだ。 世界中で貧しさが減り、だからこそ、世界の人口が増えている。 しかし、温暖化や覇権争いなど、問題も増えた。 そんな面倒くさいものは一切ない。 そういう世界でこそ、人の心の機微が描けるのかもしれない。 いい話だったから、本も読もう。 それと、このドラマの主役の清原果耶がぴったり。 作者が彼女を思い浮かべて、物語を書いたのかと思う。 いい話だった。 |
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