考えたこと2

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衰退産業
大学業界が衰退産業だという記事があった。
『決断』という本の著者、成毛眞氏がその内容を紹介している。

大学産業はお客さん(18歳人口)が減ることは予想できていた。
人口動態というのものは、急に変化するものではないし、18歳人口は少なくとも18年前には決まっているのだから、民間企業の需要予測よりよほど正確だ。

そんな中、平成の30年間で約300校増えたのが大学。2018年で780校ある。
1989年が499校だったから、1年に約10校の割合で増えた。
その間に、18歳人口は193万人から118万人になっている。

ぼくは、大学を新設した学校法人は、少子化によって環境が苦しくなるのはわかっていたと思う。
それでも、バカみたい増えた。
きっと、自分たちだけは大丈夫だと思っていたのだろう。
現状では定員割れが210校もある。

学校法人には国から補助が出ている。
非営利の法人として、少なくなる志願者を取ろうとしたらどうするか。
普通に考えたら、この大学に来たら、いいところに就職できるだけの学力が保証されるというふうに、レベルアップを図る戦略を取ると思う。
しかし、実際にはそういう戦略はとられなかった。

この間に文科省は初等、中等教育で、落ちこぼれ対策で修得主義から履修主義に方針を変更したり、ゆとり教育で時間数を減らしたり、総合学習を入れたり、科目をいじって、社会系の科目を増やしたりいろんな手を打った。
これらが功を奏して、見事に小中高のレベルが下がり、受験生のレベルが下がった。

受験生のレベルが下がったのは、下位の大学が始めた推薦入試の多用化や、入試科目の減少、AO入試の間違った方向での採用などの原因で、入試そのものがなくなったり、簡易化したことも一因だ。
その後、それに輪をかけて、少子化による全入化が進み、入試そのものが選別の役目を果たさなくなった。
極論すれば、落とす入試から、どうやって入れるかという入試になった。

一部の困った大学はアジアからの留学生を増やした。
学生ビザで入った留学生たちが、ほとんど学校に来ず、アルバイトで祖国に送金したりする問題が出たりした。
相対的に海外での日本の人気が下がり、文科省の指導もあって沈静化はしたが、一時はうちの近所でも、お好み焼き屋に行ったら、カタコトの日本語を話すアルバイトばかりになっていた。

そういう道筋を通って、大学は今も衰退の一途を辿っている。
なぜかというと、入れた学生をちゃんと教育して出せればいいのだが、今の下位の大学の体制ではそんなことは難しい。
問題は高等教育の問題ではなく、初等、中等教育の積み残しだからだ。

本来なら人生が長くなって、社会人の学び直し等のニーズはあるはずだが、なかなかそちらにも舵を切れない。
教える先生の側が、社会人に対応できないのも大きいのだろうと思う。

アルバイト漬けで4年間を送っても、卒業できてしまう大学なら、高校を出て働いたほうがよほどいい。
まわりも教育してくれるし、ちゃんと社会人としての自覚もできる。

今のままなら、衰退すべくして衰退したということだ。





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