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2019.06.11 Tuesday
B面
B面という言葉も死語だ。CDの世代には通じない。
大滝詠一が「A面で恋をして」という曲を書いたのが、1981年。 Wikipediaによると、その年にドイツでテストCDが製造され、1982年にはCDプレーヤーが発売された。 そして、その年からアナログレコードの販売額が減少に転じた。 奇しくも、大滝詠一はアナログレコードの最後の時期に「A面」という言葉を残したことになる。 A面、B面という言葉はレコードをひっくり返すのが前提の言葉。 ぼくはアナログのドーナツ盤を10枚ほどしか持っていないが、意外とB面の曲がよかったりすると、得をしたような気になった。 しかし、時代がCDになって、ひっくり返すことはなくなった。 今の若い人たちでも、A面、B面という言葉を知っていても、それが何に由来するのかわからない人も多い。 ドーナツ盤、と言ってもわからないだろう。 一方、8センチのシングルCDに従来のA/B面に相当する曲を入れる場合、B面の曲をC/W(Coupling with)というふうに書いてあるらしい。 これは、逆にぼくらの世代にとっては新語になる。 従来のB面は今はC/Wなのだ。 息子がこの曲はカップリング・ウィズだ、と言ったときに、意味がわからなかったことを思い出す。 こないだ大阪のソニーショップに行ったら、アナログレコードプレーヤーの新モデルが出ていた。 最近のネットワーク対応のアンプには、レコードの入力がないものも多い。 そういう機器でも聴けるように、ブルートゥース対応になっていた。 ペアリングして、無線で音を飛ばすという方式。 アナログレコードを聴くというより、その音楽をパソコンに取り込むということが主眼かもしれない。 そういう商品も、レコードを知っている世代が死に絶えたら、なくなるのだろう。 うちにもたくさんレコードがあって、捨てられない。 そういう人たちの断捨離のために、こういうプレーヤーが出ている。 今の、古いアーティストたちの昔のベスト盤のCDは、レコードを持っているけど、プレーヤーがなくて聞けないというような人たちが買っていると思う。 現にこないだぼくも山下達郎のCDを買った。 若い頃に聞いた曲は、忘れられないものだ。 今になって、吉田美奈子のバックコーラスの素晴らしさを知り、尾崎亜美の曲の良さを知り、昔聞いた洋楽のフォークやポップスの歌詞を思い出したりする。 年をとっても、こういう感性はなくしたくないと切に思う。 |
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