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2019.05.26 Sunday
白物家電
かつては白色の製品ばかりだったということで、白物家電ということが言われた。
冷蔵庫、洗濯機など、家庭で使う電気製品だ。 これも若い人たちにとっては死語だろう。 実際に今はいろんな色のものが出ている。 赤い冷蔵庫や緑の洗濯機など、バリエーションが豊富になった。 あれはボンダイブルーの初代iMacあたりから始まったのだと思う。 去年の白物家電の国内出荷金額は、前年比4.1%増の2兆4452万円で、22年ぶりの高水準だったとのこと。 ただ、この中の3割強はエアコン。 猛暑でエアコンがよく売れたということだ。 次いで洗濯機や冷蔵庫だが、これは単価が高くなったということらしい。 たしかに、冷蔵庫ではエコやチルド、野菜室など、洗濯機では乾燥機付きとか、ドラム式など付加価値の高いものが増えた。 昔は洗濯機はそんなに高いものではなかったが、今は20万円以上のものがいろいろある。 さらに、世帯あたりの家族数が減って、白物家電にかけられるお金が増えたのもあるだろう。 白物家電は必需品だから、常に買い替え需要はある。 共働きで高くても便利なものを使おう、ということもある。 そんなわけで、白物家電は好調だった。 今や「白物」には限らないが…。 しかし、少子高齢化の影響で国内市場の縮小は避けられない。 人口が減るというのは、生産に対しても、消費に対しても効果が大きい。 若い人たちは社会保障の負担で苦しんでいるし、高齢者は残りの人生のために消費を減らす。 日本の家電メーカーは価格競争のために生産をアジアに移した。 一部は日本に回帰しているが、多くは行ったままだ。 もはやMade in Japanにこだわる人も減ってきた。 どのメーカーが作っているかということくらいだ。 日本の家電メーカーは一部は潰れ、残ったメーカーは最終製品というより部品に力を入れ始めた。 パナソニックの電池とか、ソニーの画像デバイスとか…。 いつかは白物家電も日本に戻ってくる日があるだろうか。 80年代から全盛期の、日本の家電メーカーの勢いはもう難しい。 かつて日本がアメリカや欧州を抜いたように、新興国に抜かれたということだろう。 これも歴史の必然なのかもしれない。 |
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