考えたこと2

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裁判官の科学リテラシー
ツイッターを見ていたら、日経産業新聞の記事があった。
記事の見出しは「科学的認識、日本は甘いか。欧米誌が示す危機感」というもの。

厚労省の研究事業で、子宮頸がんワクチンの副作用を指摘した医師に対する、ジャーナリストの村中氏の取材記事に関する名誉毀損の判決のことだ。
研究発表が科学的、倫理的に問題が多かったことを指摘し、結果を「捏造」だとしたことが名誉毀損に当たる、という。

村中氏はジャーナリストでもあるが、医師でもある。
彼女は英国の科学誌Natureが主催する「ジョン・マドックス賞」を受けている。
この賞は障害や敵意にさらされながらも健全な科学を広めるために貢献した個人に授与されるもの。
それほど、子宮頸がんワクチンについては世界各国で使用が認められている。

「捏造」は書きすぎだったかもしれないが、実際に発表内容に問題があったことは事実だと思う。
裁判所の判決は、法律に照らし合わせて、事実関係を認定するものだが、それが社会的にも影響を与えるという感覚を持っているのだろうか。

この判決を見て、Natureがネットに出した記事の見出しは「裁判所がワクチンについて誤った情報による脅威を強調する判決を下した」というもの。
サイエンスの方はもう少し穏やかだが、同じ趣旨だ。

子宮頸がんワクチンは世界140カ国以上で認可されており、そのうち80カ国以上で公的接種プログラムに組み込まれているとのこと。
このワクチンが認可されてから10年以上たって、その有効性と安全性に関するエビデンスが世界中で蓄積されているからこそ、Natureやサイエンスがこういうスタンスで記事を書く。

日本の裁判官の科学リテラシーは低すぎると思う。
科学の力で日本は発展してきた。
ぼくらが便利な生活ができるのも、科学のおかげだ。

たしかに科学は万能ではないし、使い方を誤るとひどいことも起きる。
しかし、科学的に検証され、世界的に認められているワクチンの恐怖を煽ることが正しいことだろうか。

最近の原子力絡みの判決といい、このワクチンの判決といい、日本の裁判所は中世に戻っているかのようだ。
裁判官はもっと科学の勉強をするべきだ。

日経産業新聞の記者も最後に書いている。

「問われているのは、日本の科学リテラシーではないかと思う」

そのとおりだ。
こんな記事が全国紙に出ないことも問題だと思う。
マスコミの科学リテラシーもひどい。

これも理科離れの影響か…。



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