考えたこと2

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AI人材25万人
こないだ書いたAI戦略、の人材育成の件で日経に記事があった。
「人工知能(AI)技術を活用できる人材を年間25万人育成する」ということだ。
ぼくは25万人は「絵に描いた餅」だと書いたが、ちょっと今の大学に関わった人なら、大半の人が同じことを指摘すると思う。
それほど、現実離れした計画だ。

どんな有識者を集めたか知らないが、彼らは現実の大学教育についての知識はほとんどないと思う。
あるいは、所轄官庁である文科省が誘導したのかもしれないが…。

計画では「数理・データサイエンス・AIをデジタル社会における「読み・書き・そろばん」に当たる素養と規定。年間約50万人が卒業する大学生や高等専門学校(高専)生全員に、文理を問わず初級レベルの数理・データサイエンス・AI教育を課す。」となっている。
「初級レベルの数理・データーサイエンス・AI教育」というものが、どんなものを指すのかわからないが、少なくとも比率やパーセントといった割合がわからなくてもOK、というものではないはず。
教育は積み上げであり、基礎がわかっていないとその上のレベルは全くわからない。
特に算数はそうだ。

記事によると、この分野の第一人者である松原仁教授は「初学者向けカリキュラムの作成など、具体的な実装は容易ではなさそうだ」と述べたとのこと。
実際にAIの基礎ということになると、行列やベクトルの考え方が必要で、それらは高校の学習指導要領からは削除される。
全く整合性がないことを「有識者」の皆さんは決めたということだ。
英語教育といい、プログラミング教育といい、アクティブ・ラーニングといい、文科省の役人は、文字にしたらそれが実現すると思っている。
そうとしか思えない。

そんなことを言う前に、文系の大学の入試科目で「数学」を必須するべきだ。
文科省は自分たちの管轄のところは変えず、大学に丸投げするだけ。
もうちょっと反省しろ。

90年代に分数ができない大学生が存在することはわかっていた。
それでも何もせず、少子化で入試は有名無実になり、推薦やAOという安易な入学経路を認めてきた。
もちろん、本来の意味を拡大解釈して、AOや推薦入試でたくさんの志願者を入れる大学は悪い。
しかし、それを長いこと放置し、AO入試を一般入試扱いにして、事実上いくらでも受験生が入れるようにした文科省の罪は重い。

今頃慌てて、50万人にAIの基礎教育とはチャンチャラおかしい。
おまけにこれに絡んで、ちゃんとやったところは補助金を出すという。
丸投げにお小遣いをつけてやらそうという魂胆。

その前に、小学校でもっとちゃんと割合について教えることだ。
そっちのほうがよっぽど大事だぞ。




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