考えたこと2

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世界の音楽ビジネス
IFPIという組織があるが、これは「国際レコード連盟」などと訳される。
グーグルによると、 1933年にイタリアで設立された『International Federation of the Phonographic Industry』を母体として発足したとのこと。

このIFPIによると、2018年の音楽マーケットの売上が前年を上回り、過去11年で最大のボリュームになった。
音楽ビジネスは当面調子がいい、ということだ。

2018年の世界の売り上げは191億ドルで、約2.1兆円。
2017年比で10%近く伸びたとのこと。

内訳は191億ドルのうち、112億ドルがデジタルの売り上げ。
約60%がデジタルであり、前年比21%の伸びらしい。
増加要因はストリーミングサービス。
前年比34%増しの約90億ドル。

曲を指定して有料でダウンロード販売する形態は年々減少している。
前年比で約20%減。
全体の7.7%しかないとのこと。

CDの売り上げは全体の25%。
そこそこの売り上げだが、前年比10%の減少。
単価が高いから、売り上げのボリュームは保っているものの、大きな目で見たら減る一方だ。

全体の14%を占めているのが、放送局や店舗から得る楽曲使用料。
パフォーマンス・ライツという。
けっこう大きい。

そういえば、日本でも著作権協会が音楽教室で曲を使用するのに利用料を取る、ということで去年もめていた。
これはシンクロナイゼーション売り上げと定義されており、全体の2.3%ある。

結果をまとめると、以下のようになる。

物理メデイア:25%
有料ストリーミング:37%
広告型ストリーミング:10%
ダウンロードとその他のデジタル:12%
パフォーマンス・ライツ:14%
シンクロナイゼーション:2%

音楽を作る側にとっては、どうなったのだろう。
この結果をみると、ストリーミングが増えているということで、音楽の切り売りが増えているということかと思う。

音楽自体がコモディティ化して、希少材から一般消費財になった。
昔は気に入ったミュージシャンのレコードやCDを買って、ありがたくプレーヤーにセットし、黙って聞いたものだった。
音楽は貴重なものだった。

しかし、今やマウスで検索して、クリックすれば音楽は聞ける。
ストリーミングサービスに入っていれば、勝手に流してくれたりする。
アルバムというものも、どこまで意味があるかわからない。
ヒット曲だけ聞く、という聞き方も可能だ。

作り手も、レコード会社など通さなくても、極論すればYoutubeにアップロードすれば、自称ミュージシャンになれる。
供給が増えた分、需要も増えたということだろう。

音楽を演る人、聞く人が増えている。
そして、一曲あたりの単価は下がっていく。
今までアルバムという形で、10曲くらいセットで販売していたのが、ストリーミングで事実上のバラ売りが増えたのだろう。

以前は音質にこだわる人が多かったが、音楽のコモディティ化でそれほどこだわらなくなった。
だから、パソコンやウォークマン、スピーカーなどで十分。
大掛かりなステレオセットなど要らない。

ということで、音楽ビジネスは拡大したが、ミュージシャンは増えた分だけ儲からない。
ごく一握りのスーパースターが大きく稼ぐ。
ここでも勝者は総取りになる。

たしかに、裾野は広がったのだが、なんだか寂しいような気がする。

ミュージシャンは昔のようにカリスマであってほしかった。


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