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2019.01.10 Thursday
現金を知らない子どもたち
1970年の万博の年、「戦争を知らない子供たち」という歌が流行った。
ジローズがお祭り広場で歌った。 あの当時、お祭り広場の真ん中あたりに太陽の塔が建っていたはず。 もちろん、ぼくらの子供の世代はそんな歌も知らなければ、お祭り広場も知らない。 あの当時、ぼくは中学生だったが、その時の大学生からちょっと上の人たちは、戦後生まれで戦争を知らない最初の世代だった。 北山修がこの歌を作ったとき、加藤和彦に作曲を頼んだら、鼻で笑って突き返されたという曰くがある。 加藤はちょっとシニカルなキャラだったから、こんな曲を作りたくなかったのだろう。 特に3番の歌詞「青空が好きで 花びらが好きで いつでも笑顔の すてきな人なら…」あたりは気持ちが悪い、という感じはなんとなくわかる。 だから、北山は杉田二郎のところに持っていった。 彼が喜んで曲をつけたのは、ロマンチストだったからだろう。 それが「戦争を知らない子どもたち」の裏話。 結果的に大ヒットしたが、きっと加藤は後悔などしなかったと思う。 時代は下って、現代になる。 中国では現金を使って決済する人がどんどん減っているという。 カードすら持たず、スマホで決済らしい。 今や中国のホテルでも、現金決済は釣り銭がないからと言って、スマホでやってくれと言われるようだ。 レストランでも、席についてじっとしていたら、何も注文を取りに来ないらしい。 テーブルに置いてあるQRコードを読んで、店のサイトに移動し、そこから料理を選んで注文するという。 ファストフード店でも、まず席に座って、それからスマホで注文すればいい、ということらしい。 そういえば、スピード違反をしても、すぐにスマホに罰金の請求があって、それを払わなければ免許の更新ができない、という仕組という。 すごい合理化だ。 日本なら、間にたくさんの人が挟まっているが、向こうは電子でやってしまう。 日本の生産性が低いというのも、頷ける。 中国では携帯番号と国内銀行の口座番号が紐付いているとのこと。 なるほど。 それが爆発的なスマホ決済を進めた。 それが規則だから、ということでやれてしまう。 すごい国だ。 日本なら、個人情報がどうたらこうたら、ということになるだろう。 現金レスの最先端を行く中国。 どこかの記事にあったが、そのうち「現金を知らない子供たち」という歌が歌われるかもしれない。 |
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