考えたこと2

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東京奇譚集
東京奇譚集 村上春樹 新潮文庫

2005年出版。比較的新しい短篇集だ。この後に出ている長編は2作のみ。

この短篇集は80年代なら、SFの棚にあっても不思議ではないと思う。
80年代の日本のSFは、必ずしも科学的なフィクションではなく、荒唐無稽なものやドタバタ、この短篇集にあるような理屈だけで解釈できないようなファンタジックなものもあった。

あまり作品をジャンル分けするのは意味がないとは思うが、筒井康隆などの80年代の日本のSF作家はバラエティに富んでいて、読んでいて楽しかった。
それを思い出させるような本。

東京奇譚集という名前にふさわしい、奇譚が5篇書かれている。

読めば、面白い。
面白いといっても、笑うような面白さではない。
「品川猿」という最後の作品はちょっと面白いが…。
主に、興味深い方の面白いだ。

各々の物語の主人公にとっては、それぞれ当然であったり不思議ではないことが起こったり、それらに遭遇したりする。

何か意味のあることを、計算ずくで書こうとしているのか、それとも不思議な物語をそのまま書こうとしているのか、わからない。
ちょっと計算臭さが勝っているかな。

でも、読んだ後に何か残る。

村上春樹という作家、昔のSF作家の匂いがする。

そんな短篇集だった。





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