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2014.10.15 Wednesday
圧縮空気モーター
パリのモーターショーでは、いろんなクルマが展示されているらしい。
今はプジョーに吸収されたが、シトロエンという会社はユニークな会社だ。 昔から、ハンドルを切った角度に合わせてヘッドライトも回すという仕組みや、バネとダンパーの代わりにガスや油圧を使う、ハイドロニューマチックサスという仕組みなど、面白いクルマを作っている。 ハイドロニューマチックサスのシトロエンは、スイッチひとつで車高が変えられ、そのおかげで空力を考慮した流線型のクルマだった。 今でもC5というグレードで使われている。 欧州のカーメーカーも、今は燃費競争。 排気量を小さくしてターボやスーパーチャージャーを使ったり、ディーゼルエンジンを使ったり、変速機を細かく制御したり、軽量化したりしている。 これからは、モーターも使ったハイブリッドなども出てくると思う。 欧州のメーカーはいろんなアイデアを出してくるから面白い。 今回シトロエンは走行中の空気を取り込み、それを圧縮して保存し、モーターを回すという仕組みを考えてクルマを作ったらしい。 従来よりも100キログラム軽くして、なんとリッター50キロを達成したとのこと。 2リットルで100キロメートルの走行が可能ということだ。 もちろん、これはコンセプトカーで、すぐに発売できるクルマではない。 今までポシャったものもたくさんある。 でも、クルマが走っている時の運動エネルギーをムダにしないで、特に減速する時にそれを貯めるという考えは今のハイブリッド車でも同じだ。 今のハイブリッド車は止まる力を使って発電し、バッテリーを充電する。 日経によると、シトロエンのエンジニアはこう言っている。 「車体フロント部に、最適化した1200?エンジンを搭載し、リア部トランク下には圧縮空気タンクを装備しています。減速時にはエンジンが空気を圧縮し、再発進や再加速する際には、圧縮された空気が力となって車を推進します。したがってエネルギー及び燃料の消費を大幅に減らすことができるのです」 エンジンの駆動力を使わない時に、圧縮のためにエンジンの回転エネルギーを使うということだろう。 それを使って、圧縮空気を作り、それをタンクに貯め、駆動時に使うという仕組みだ。 これは安くていいシステムだという。 「ハイブリッド・エア(HybridAir) 動力伝達系で、圧縮空気をタンクに貯めます。このタンクは同等のリチウムイオン電池に比べ軽量で安価です」と言う。「いままで以上にシンプルで、使用する国を問わず、厳しい悪天候などでも機能し、リチウム電池のような高価な材料を使用しない点において、非常に優れています」 ということだ。 ヨーロッパのメーカーはボルボやアウディがフライホイール(はずみ車)を使って、機械的に運動エネルギーを貯める仕組みを研究しているらしい。 ドイツのVWはディーゼルの2気筒エンジンとモーターを使ったハイブリッドシステムを展示している。 ディーゼルハイブリッドはまだ日本メーカーは作っていない。 さすがに物理学が生まれたところだけのことはある。 |
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