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2014.10.05 Sunday
宇宙エレベーター
宇宙は遠い場所だが、それが近くなるかもしれない。
なぜ宇宙が遠いかというと、地球の重力を振りきって飛び出ていくのに大きなエネルギーがいるからだ。 おまけに、宇宙では酸素がないから、ジェットエンジンは使えない。 今のロケットはその重量の94%が燃料だという。 でも、それを大幅に楽にする方法がある。 宇宙から紐を垂らして、そこを登っていくのだ。 宇宙エレベーターという。 これが実現すると、宇宙は身近なところになってくる。 何が難しかったかというと、その紐である。 だいたい、地上から360キロメートルのところに静止衛星があるから、そこから紐を垂らすということになる。 こういうと簡単に聞こえるが、簡単ではない。 簡単ならもうやっているだろう。 難しいところは飛ばして、要するに破断長(紐が自重で切れてしまう限界の長さ)が5000キロという紐が材料的には必要になるらしい。 鋼鉄でも50キロ、炭素繊維でも250キロで切れるということだ。 つまり、強度がまだまだ足りない。 でも、ここに画期的な材料が出てきた。 それがカーボンナノチューブ。 炭素の原子を円筒状に並べたものだが、理論的には破断長が1万キロらしい。 これはスゴイ。そんな材料があるのなら、すぐに作ればいいと思うのだが、そうもいかない。 今できるカーボンナノチューブは最長で55センチ。 中国の大学の研究者が作った。 ところが、宇宙エレベーターに必要な長さは10万キロらしい。 紐を垂らすだけでは衛星が引っ張られてしまうので、反対側にも伸ばさないといけないらしい。 55センチと10万キロというと、だいぶ差がある。 55対1000万だから、20万倍ほどだ。 でも、考えようによっては、人間が数えられる程度の差だから、どこかでとてつもない技術ができれば、一気にいけるかもしれない。 あと100年もすれば…、という感じだろう。 これで人類にとって宇宙が身近なものになるかもしれない。 22世紀の話だろうなあ。 |
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