考えたこと2

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就職大学
就職に特化した大学がある。
偏差値は低いが、就職率は高く、行く先も上場企業が多い、というような学校だ。

プレジデントに特集記事があった。
記事で出てくる学校はいずれも偏差値50以下。金沢星稜大学、玉川大学工学部、大阪経済法科大学の3校。

金沢星稜大学のCDPプログラム(キャリア・ディベロップメント・プログラム)は聞いたことがある。
学長主導で、学校を変えたという記事が以前あった。
地方公務員(警察含む)の受験プログラムを1年からやって、それでまず就職率を上げた。
今は一般就職にも力を入れている。

大学に来たら、いきなり散髪された…、で始まる特集記事。
「スパルタ式就職指導」で実績を伸ばしているとのこと。
就職ガイダンス(課外)も厳しく、遅刻は認めない。始まると同時にドアをロックしてしまう。
会場の外で身だしなみチェックがあり、その場で散髪もする。
就職は団体戦だという。

「2003年の就職率は66%で、そのうち上場企業の内定率は0.9%だった。だが09年の就職率は81%で、上場企業の内定率は39%。就職の質は劇的に向上している。」

「大学生の「就職人気ランキング」では商社や銀行、旅行代理店が上位を占める。だがすべての学生がそうした業種に就けるわけではない。自分に合った業種や企業は説明会や面接を重ねるなかで段々と見えてくる。100社行くのは当たり前――。そんな雰囲気がみなぎっている。
活動の拠点となるのが「就職支援センター」だ。職員だけでなく、進路の決まった学生が常駐。面接に落ちて悔しい思いをしても、センターに来れば誰かが励ましてくれる。思いを共有してくれる。」

効果はスゴイ。

「同大は03年度には定員割れに追い込まれていたが、11年度は定員430人に対し、志願者1610人と「奇跡の復活」を遂げている。入学時から就業意識を高め、団体戦で就活をやり抜く――。堀口センター長による梃入れが、着実に実を結びつつある。」

他の2校もゼミでの指導など、きめ細かい指導をやって、就職実績を上げている。
なかなかできることではない。
それをやるかどうかは別にして…だ。

要するに、どこの大学でも、こういうことをやれば就職実績は上がると思う。
入った時から、厳しく、講座を取らせ、しつけの面も厳しく、「公務員になる」とか「内定を取る」とかいう目標を大学に入った時から意識させ、実際に厳しく指導する、という方法である。
もちろん人がいるし、金がかかる。
でも大学にはいろんな無駄遣いがあるから、それを切り詰めれば金の問題は何とかなる。

問題はだれが旗をふるかだ。
金沢星稜大学の場合は学長が主導した。
学長が理事会を味方につけ、これでいく、という明確な意志を持って、ぶれずに金と場所と人と時間をとる、と宣言することが必要だ。
たいがいの場合は、教授会から何やかやと反対がある。
曰く、人をどうするのか、予算をどうするのか、教室はあるのか、授業と重なったらどうするのか、学生がそっちばっかりやりだしたらどうするのか、そもそもそんなことをするのが大学か…。

学長がやる気にならない場合も、もちろん多い。
教授会を押し切ろうと思うと、やる気がなくなるのだろう。
実際はほとんど出来ないところばかりだ。
だから、就職率が下がり、定員割れが起こっている。

金沢星稜は、一度定員割れをして、実質的に潰れかけたというのが良かったのだと思う。
改革をするのに「このままいったら潰れるぞ」という圧力がかけられる。
うまくいくところは、一度潰れかけたところも多いのではないか。
もちろん、そのまま定員割れしている大学も多いが…。

結局、成功例は公開されており、やる気になったらマネすればいいのだ。
それでも、なかなか出来ない。
そのために、ガバナンスを改革するということになったのは、先日書いたとおり。
あれは国立だったが…。

ただ、ぼくは、ここまではやりたくない。
これでは、夢も希望もないではないか。

大学には夢がないといけないと思う。
何だかわからないが、このキャンパスに来たら何かがありそうな気がする、というような夢だ。
大学が就職に特化すればするほど、大学には夢がなくなっていく。
それはいいことなんだろうか。
あくまで、学生が自分で気づいて、やる気になるような仕組みを作るべきだと思う。
そのためには、先生が頑張らないといけないのだが…。

体育会系のように、就職するぞ!というような「団体戦」は、ぼくはやりたくない。
学ぶ楽しみ、本を読む楽しみはどうなるのか。
本当は、高校まででその基礎をやっているはずなのだが…。
それらがやれていないので、こういうアプローチもアリになる。
でも、ぼくはやりたくない。

やっている学校はそれなりに立派だとは思う。
今の教育システムの中で、大学が偏差値に見合った、担うべき役割を果たしているとも思う。

それでも、だ。

教員がしっかりしないと、大学は大学でなくなってしまうぞ。


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