考えたこと2

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自己実現
ぼくが入社した時代は、まだまだ高度成長で終身雇用、年功序列という制度が盤石だった頃。
実質的に就職というのは就社だった。
余程のことがなければ会社が定年まで面倒を見てくれる。
そういうことを意識すらなかった。それが当たり前だったからだ。

ぼくの同期も20人いたが、途中退社はぼくを含めて4人ほど。
あくまで少数派だ。
会社はどんどん大きくなったし、つくべきポストも増えた。
だから、ほとんどの同期は課長になり、部長になることができた。
今や古き良き時代だろう。

そんなわけで、自己実現するということは、すなわち入った会社で自己実現するということだった。
ともすれば会社を大きくすることや、上の地位を目指すことが自己実現になった時代だ。

しかし、90年代後半以降成長が低下して、だんだんと維持が苦しくなってきた。
グローバル化の波に揉まれ、人件費の安い仕事は海外に出ていった。
また、ITの発達で中間管理職というものが不要になってきた。
当時求められたのはジェネラルスキルだったが、今は専門的なスキルが求められる時代。
業界や会社の規模によって早い遅いはあるが、製造業はそんな時代になりつつある。
今になって、社員に副業を解禁するのも、会社に頼れなくなったことの現れだ。
確実に終身雇用、年功序列という制度はほころんできている。

それを続けたいのは、仕事がなくなる人事部員と、古い頭の役員たち、それから正社員を守って厚生年金制度を続けたい厚労省の役人くらいだ。

そんな中で、中高年のサラリーマンは大きな変化に対応していかないといけない。
若い人たちからは不当に高い給料をもらっていると思われているし、一方で自分たちも若い頃は年寄りたちを支えてきたのに…という思いもある。
複雑な心境だ。

政府が言わずとも、働き方が変わってきている。
中高年は、若い頃は会社と一心同体の自己実現願望を持ち、今になってそういうわけにはいかない、という現実に向き合っているのではないか。
そういうメンタリティが、失業率と自殺率の高い相関を産んでいるような気がする。
世界レベルで見たら、失業率と自殺率はそんなに相関はないらしい。

正社員であることを前提にして、社会保障を含めたいろんな仕組みが構築されている。
それは将来は維持できないことは明白だ。
もう非正規社員が半分近くいるのだから。

若い人たちは、どちらかというと会社でエラくなることを自己実現だとは思っていないだろう。
それが普通なのだ。
自分のスキルを磨いて、それで食っていく方向に舵を切っている。

中高年の悩みは、方向転換できるかどうか。
今から仕事に対する価値観を見直して、仕事のやり方を変えていかないといけない。
どっちにしたって、定年後の人生はどんどん長くなっている。
ぼくらの世代は、何とか逃げ切ったような感じだが、それでもこれからどう生きていくのか。
そういうことが問題になってくるんだろう。

悩ましい。

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