考えたこと2

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国語
時々引用する、もと小学校教員の中沢良平氏。
「12年間も勉強して、なぜ国語ができないのか」というブログを書いている。

これは、黒坂岳央氏が書いた「国語力が向上する真の勉強法とは?」というブログを見て書かれたもの。
彼は、アウトプットが大事だという。
文章を書くということだ。

中沢氏の問題意識は、12年間も国語を習って、国語に苦手意識を持つ人が多いのは、国語をちゃんと教えてないからだ、ということ。
12年間というと、小学校、中学校、高校の合計。
時間数にして、20000時間以上になるという。
さらに、国語はさすがに今の入試科目から外している大学は少ない。
ただし、古文や漢文は別扱いにしている学校は多いが…。
しかし、まあそれなりに国語を勉強してきたのは事実。

ぼくは、国語というと、当時入試でよく出題された、難解な小林秀雄の評論文を思い出す。
「美しい花がある。花の美しさと言うようなものは無い。」というような文章。
美とは何か、というようなことを考えていないと、この手の評論はわからない。
こういうのが苦手だった。
大人になってから、これは純粋な国語の問題ではなくて、美学について考えたことがあるか?という問題だとわかった。

また、文章の一部を出して、「作者の考えていることは何か」というような問題もあった。
まさに、ぼくが入試を受けた年の問題だ。
前にも書いたが、ぼくはラッキーにもその文章を読んだことがあったので、情報量が多かった。
だから、すぐに答えはわかったのだが、これもその作者の文章をたくさん読んでいるか?という問題にもなる。
当然だが、読書量が多くなると有利。ある意味、当たり前のことだ。

中沢氏は、国語が国語になっていない、という。
主に小学校だが、「国語の授業が、他の教科、道徳や社会や総合的な学習の時間になってしまっています」ということだ。
テキストの意味を考えるのが国語だとすると、仕方ない面もある。
中沢氏はさらに続ける。

「国語以外のすべての教科は、国語の基礎の上に成り立ってると言っても過言ではないのですが、その国語が、「思考するための方法」ではなく、「なんらかの価値観」を押し付ける教科となってしまっています。
小学校の教員のなかでも、国語が苦手な教員は多いです。なにをどうやって教えていいのかわからないからです。教師が教え方を知らない教科の筆頭が、国語なのです。国語は、まかり間違えると総合学習のようなイメージでとらえられてしまいます。
表やグラフを与え、説明させたり、議論させたりする授業も多いです。算数、理科、社会と思えるような授業も多いです。
しかし、このような授業をやっていては、子供たちに国語の力はつけられないでしょう。」

なるほど。そういうことかと思う。
教員が国語が苦手だと、容易に国語の授業はすり替えが効くということだ。

さらに、学校では、「論理的に思考する方法」を身につけることに頓着していないという。
論理的に思考するためには、まずはテキストを正確に読む、ということだろう。
それを教えていない。
実際、どう教えていいか分からないらしい。
だから、指導書をみるのだが、その指導書には「言語を扱う技術」や「論理的に思考する方法」などは出てこない。
そこに書かれているのは、「この文章はこのように味わうのだ」というようなことで、「文章を正確に読む」ということは書かれていない。

たしかに、文章を正確に読んで「大事なところに線を引く」という能力が低い大学生は多い。
中堅以下の大学では、大事なところに線を引きなさい、というと、全部に線を引く学生も散見されるという。
どこが大事か、わからないのだ。

書く方も然り。

「「こういう方向性で感想文を書くべきだ」ということは書いてありますが、どうしたら伝わる、読んでもらえる文章になるのかということは一切ふれられていません。」

ということらしい。

だから、大人になってから慌てて「ロジカルシンキング」などの本を買って読むということになる。

今授業をやっていても、「ここは大事だから線を引こう」ということを言わないと、せっかくのプリントに線を引く学生はいない。
もったいない話だ。

それは読んでも、どこが大事なのか分からない、ということなのかもしれない。

これはエライことだ。




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