考えたこと2

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ピアスとサンダル
真珠のピアス、というユーミンの歌がある。
レコードも持っているが、この曲はそんなに気に留めていなかった。
でも最近になって、じっくり聞いてみると、けっこう重い。
彼女の歌詞は、ドロドロした感情もさらりと歌うという感じがあるのだが、これは例外だ。

「最後の夜に、彼のベッドの下に真珠のピアスを捨てた」という歌だ。
なんで捨てたかというと、もうすぐ彼女と引っ越しするときに、ベッドの下から見つかって、私のジェラシーに気づくはず、という。

引っ越しのときに「なんでこんなものが落ちているの」という「彼女」の声が聞こえているのだ。

そして、「どこかで半分なくしたら役には立たないものがある」と歌う。

パールのピアスだから、高価なものだろう。
それを最後の夜にわざと落としていく。
もうそれは使うことができない。
ピアスを犠牲にしても、私はジェラシーを伝えたかったということだ。

1982年のリリース。
ユーミンが28歳の時だ。
この時代の結婚適齢期と言われていたのは、けっこう若い。
ということは、28歳というのは適齢期を過ぎたという感じだろうと思う。
その時期の失恋は、女性にとって重かった。
そういうことも、読み取れる。

一方、同じ失恋でもデスティニーでは「冷たくされていつかは みかえすつもりだった」という。
ふられただけで、彼女は出てこない。
この曲は79年だから、25歳の時だ。
まだ若いから余裕がある、という感じかな。
この辺の若いという感覚は、同時代を生きていないとわからないだろう。

「それからどこへ行くにも 着飾ってたのに どうしてなの 今日にかぎって 安いサンダルをはいてた」

ユーミンは靴フェチかもしれない。
安いサンダルは、他の曲の歌詞でも出てくる。
きっと実際にあったのだろう。
ピアスに比べると、まだ軽いと思える。

ユーミンはこないだ第66回の菊池寛賞をもらった。
そこでのスピーチ内容は、

「音楽は時間をデザインするもの。そう遠くない未来に私が死んで私の名前が消し去られても、私の歌が詠み人知らずとして残っていくことが望み」

と言った。

遅ればせながら、受賞おめでとうございます。


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