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2018.12.14 Friday
コミュニケーション能力
文科省の追加調査で、いろいろな大学の医学部の入試で不正が行われたことが明らかになりつつある。
中でも順天堂大学の医学部入試で、女子の点を一律下げていた理由がスゴイ。 なんでも、女子は「コミュニケーション能力が高い」から減点していたということだ。 これにはビックリ。 今の企業が学生に求める能力の一番が「コミュニケーション能力」と言われて久しい。 医師という人間相手の商売に、コミュニケーション能力が高いことが悪いことなんだろうか。 第三者委員会の報告書を引用すると、 B 面接試験結果における男女の成績分布差の補正である旨の説明 (A)順大医学部教職員に対するヒアリング調査において、大学受験時点における男女を比較すると、女性の方が精神的な成熟が早く、男性より相対的にコミュニケーション能力が高い傾向があり、また、大学入試時点における女子受験者に対する面接評価の補正を行う必要があった旨の説明が、多数の教職員によりなされた。 と書いてある。 それに関する心理学の論文も提出したとのことだから、事前に罪の意識があったのだろう。 何らかの合理性をこじつけないといけなかったということだ。 くさるほどある心理学の論文を探せば、そういうものも出てくるだろう。 それなら、面接試験の実施要項にちゃんと、女子はコミュニケーション能力が高い傾向があるので、それを考慮した配点をします、と書けばいいのだ。 それを書かないのは、後ろ暗い証拠。 やってる方も、無理があるなあと思っているのだ。 もともと、医学部の入試に面接が採用されたのは、コミュニケーションに問題がある医師が多かったからではなかったか。 患者の顔を見ずに診察するとか、何を考えているのかわからないとか、そんな医者を作ってきた反省に基づいて始まったのだと思う。 それがこういう結果になる。 言うに事欠いて、コミュニケーション能力が高すぎる、とは呆れるほかない。 そんなものは言い訳でしかない。 まだどこかの医大のように、正直に「男子が取りたかった」という方がマシだ。 こんな面接試験なら、やめたほうがいい。 面接試験をやるとこういうことが起こる。 入試に採点者の主観が入るのは良くない。 今の入試改革でも、その点は見直すべきだと思う。 |
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