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2018.11.28 Wednesday
ケプラー宇宙望遠鏡
11月17日、ケプラー宇宙望遠鏡の運用が完全に終了したとのこと。
英語で言えば、”Mission Completed”というところだろうか。 ケプラーというと、天体の動きの法則を見つけ、それを体系化した人だ。 太陽系の惑星が太陽の回りを楕円の軌道で運動しているということと、太陽と惑星の間には引き合う力がある、ということを発見した。 その名前を冠した宇宙望遠鏡だった。 地球から星を観測すると、大気の影響を受けるから、なかなか正しく観測できない。 ケプラーは宇宙から観測するので、大気や天候の影響は受けない。 そのおかげで、たくさんの恒星を発見した。 また、恒星だけでなく、恒星の周りを回っている惑星を観測した。 惑星は光らないから、直接観測はできないが、恒星の前を横切るときに恒星の明るさが変化する。 横切られるから、光が減少するのだ。 それをケプラーは観測した。 一度テレビでやっているのを見た。 太陽系のように、恒星の周りを惑星が回っているという星たちがたくさんあったということだ。 2009年から3年間の予定で運用が始まったが、それが9年目まで伸びた。 今は地球から約1億5000万キロ離れたところで太陽の回りを回っているとのこと。 電波の速さが秒速30万キロだから、ケプラーと通信するのに8分ちょっとかかるところだ。 遠いところまで行ったものだと思う。 運用を終了するコマンドは「Goodnight」。 打ち上げた当初から、そういうコマンドで終わることを想定していたのだろう。 作った人はそのコマンドを打つときを想像したのだろうか。 重さ1トンの大きな望遠鏡。 宇宙ではけしつぶのような存在。 それでも、9年間ケプラーと付き合ってきた人たちは、ケプラーを人間のように感じていたのだろう。 こういうところに、宇宙を研究している人たちのロマンを感じる。 宇宙を見ていると、そういう気持ちになると思う。 きっと担当者は万感の思いを込めて最後のコマンドを打ったはず。 その日がヨハネス・ケプラーの命日だったのは偶然だと言っているが、そんなはずはない。 きっと敬意を表したのだろう。 宇宙のロマンだ。 |
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