考えたこと2

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大学の会議
学校法人に転職して驚いたことの一つは、大学の会議のやり方だ。
大学には、公式の会議というものがあり、これは会社でやっていた会議とは全く異なる。
公式の会議というのは、定期的に開催するもの。
逆に、問題が発生したり、何かの課題があるからという、会社の「普通の会議」というのはほとんどなかった。

なぜ定期的な会議ばかりになるかというと、いつ誰が学校にいるかわからないからだ。
会社なら、社員ということで、出張でもない限り会社にいる。
それが当たり前だから、いつでも会議ができる。
だから、緊急招集というようなことでも対応できる。

ぼくのいた私学は、週3日だけ出勤という(正規の)教員もいたし、教員には勤務時間というものがなかったから、極論すればその日の授業が終われば帰れる。
だから、いつ誰が出勤しているかはわからなかった。
一応、出勤簿というものはあったが、みんなまとめて月末にはんこを押していたと思う。

もう一つ、部署というものがないということもある。
業務の単位としての部署、というものがないのだ。
教員一人ひとりが個人営業主という感じ。
だから、誰かがいないから、代わりの人を出す、ということもできない。

例えば木曜日を会議日とすると、第一木曜日は学科会議、第二木曜日は各種委員会、第三木曜日は教授会、第四木曜日は学校の運営委員会という具合。
それ以外にも、ナントカ委員会というのがたくさんある。
とにかく、委員会が好きだ。

各会議は学則で定義されており、定足数とか、討議の目的とかが決まっている。
すべからく、事前に決めていないといけない。
新たな会議体や委員会を作るとなると、定例会議で話し合って決めないといけない。
大学というところは、想像以上に官僚的なのだ。
おまけに、議事録は誰が書くかも決まっている。
担当事務が決まっていて、そこしか議事録は作れない。

おまけに、ぼくのいた大学では、教授会の議事録は翌月にならないと発行できなかった。
教務の事務担当が、パソコンで話した内容をほぼ一字一句書いて、それをまとめる。
誰が何を言ったか、というのが後日でもわかるようになっているのだ。
そんなの、会議で決めたら全体の責任、ということにはならない。
それを「決定した」というのか、ということも疑問だった。
そしてそれを翌月の教授会で、何人かのセンセイに回してサインと押印をもらって、初めて議事録ができたということになる。
機動性のかけらもないが、こういうふうに大学は回っているのか、と驚いた。

だから、勝手に会議を開くことができない。
それらは全部、アンダーグラウンドの扱い。
関係者に声をかけて、打ち合わせという形でやることになる。
そこで決まったことは、メモ扱いになる。

何かが起こって、緊急の会議ということになると、大変だ。
そのために、高いレベルの人たちだけの非公式の会議があって、そこで緊急の課題については討議する。
まあ、なんとも面倒くさいものだった。

たいがいのことは、担当者とその関係者で方向性を出して、それを了承してもらうために会議をする。
全くノーアイデアで会議をするというのは、あまりないだろう。
みんなでブレインストーミング、というのは別だが…。

こういう会議だったから、何かを決めるのは大変。
ましてや、何かを変えるのも大変。
営利企業とは180度違う。
競争があるところでは、1ヶ月も待ってられないのは当たり前。
何かが起こったら、すぐに対応しないといけないのだ。

後日知ったが、世の中の公式の会議というものはそういうものだと知った。
国会も同じことだろう。
公務員の世界もそうなっていると思う。

ぼくのように、民間の営利企業から学校法人みたいなところに転職した人は、きっとびっくりしているはず。
でも、たいがいは長いものには巻かれる。

それは、結構ストレスフルなことだが…。




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