考えたこと2

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専門職大学 その2
来年、ようやく新しい形の大学が開学する。
今まで3回ほど、新しい「専門職大学」について書いてきた。
大学教授は教育者専門職大学リスキリングの3つ。

ぼくは、専門職大学の志は正しいものだと思うし、偏差値が下位の大学はそちらに変えていくべきだと思うが、来年の開学予定で設置認可を申請している学校法人を見ると、どうも違うようだ。
ほとんどが、専門学校からの改組になる。
申請したところは工業系、ファッション系、医療福祉系、栄養系などの専門学校と思われる学校法人。
要は2年、3年の専門学校を4年制の大学にしたい、という思惑だ。
大学というネームバリューも手に入るし、少子化で経営難のなか、4年間学生をキープできる。
専門学校を運営する法人にとっては、おいしいから、とりあえず認可申請しておこう、ということだったんだと思う。
ところが、大学になるとハードルも高く、今になって取り下げが相次いでいるという状況。
実習時間の確保とか、教員の4割を実務家教員にするとか、そのあたりがシンドいのだろう。

本来なら、今の大学教育の下半分を専門職大学にしていく、という目的だったと思う。
経済学部では、ミクロ経済学概論やマクロ経済学概論を教えるよりも、簿記の2級や1級を教える方が役に立つ。
法学部では、実際のケースに基づく法解釈を、企業の法務部出身者が教える方が役に立つ。
教養も必要だが、まずはコンピューターリテラシーを徹底的に教える方が役に立つ。
だから、今の下位の大学をそちらに改組して…、ということだったはず。

文科省の思惑は、天下り先の「大学」を増やそうというものだったのかもしれない。
しかし、少子高齢化の今、大学の数を増やしてどうするつもりだろう。

これから必要となる「生涯学習」にしたって、40代や50代で別のフィールドに転職するために「実務知識」が必要なはず。
65歳を過ぎた人たちに、人生の楽しみとしての「学問」を教えるのも必要だが、変化の激しい現代、人生途中での転職をせざるを得ない人たちも増えてくる。
その人たちのための教育機関も必要になるはずだ。
それも、専門職大学が担うべき役割のはず。

専門学校が専門職大学になって、既存の下位の「普通の大学」を駆逐するのを待つのだろうか。
そうかもしれないとも思う。

大学というところは、そう簡単に変わらないからだ。
文科省もそう思っているのかもしれない。

でも、実際に大学で学ぶ学生たちのことを考えると、専門職大学のコンセプトは正解だし、早く実現すべきだと思う。

崇高な「学問」も大事だが、そこに至る前の実務知識から入るほうが絶対に身につくと思うし、モチベーションも上がると思う。

問題は、4割の大学教員が職を失い(実務家教員に転換)、実習先をどう確保するか、ということだ。

教員はともかく、実習先は今各企業が必死で新卒社員をつかまえるためにやっているインターンシップを使えばいいと思う。
そうすれば、日本の新卒採用のシステムを変えることもできるだろう。

今の普通の大学で、いち早く本来の専門職大学の枠組みを作ったところは、きっと勝ち組になれると思う。
もちろん、教員は失業するし、痛みを伴う改組になるだろうが…。




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