考えたこと2

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加齢現象
「肝心なことはすぐに忘れ、忘れてしまいたいことはいつまでも忘られぬ。」
「剣客商売」の主人公、秋山小兵衛の言葉。
作者の池波正太郎も、そういう思いがあったのだろう。
彼がこれを書いたのが60代。何となくぼくにもわかる。

人によってばらつきはあるのだろうが、50代後半くらいから、そういうのは始まる。
何かをしようとして、立ち上がり、歩いている最中に何かを話しかけられ、それが終わると「自分は何をしようとしていたのだろう」と考える。
しばらく考えて、忘れたと思い席に戻ると思い出したりする。

還暦というのはよくできたもので、昔に比べて今は相対的に若くなったとはいえ、やっぱりいろんなところでガタが出てくる時期なのだ。
身体能力だけではなく、脳の能力もそうなる。
だから、いまやろうと思っていた肝心なことを忘れてしまう。

それでも、過ぎ去った昔のことは覚えている。
ああ、あの時、あんなことがあったとか、どうしてこちらを選んだのだろうとか、あの時あんな失敗をしてしまったとか、そういうことは忘れられない。
もう過ぎ去った今となっては、忘れてしまいたいのだが‥。

認知症になっても、昔のエピソード記憶は残っている場合があると聞いた。
一度脳の奥にしまわれた記憶はなかなか消えないのだ。
だから、年をとったら子供に戻ると言われるのだろう。

記憶は人間そのものだ。
身体の細胞は入れ替わって、ほとんど別人になっても、記憶は消えない。
それが人間を形作っている。

認知症になると、新しい記憶は覚えられないし、消えていくということだ。
残念なのは、最近の何十年かの記憶がどんどん消えていくということ。
知り合いの顔も忘れ、どんな関係だったかも忘れる。
自分が経験したことも忘れる。
要するに自分を失っていくのだ。

それは辛いだろうと思う。
でも、長寿化にしたがって、どんどん認知症は増えている。
社会とのつながりがなくなると、そうなりやすいのかもしれない。
人間は「人の間」と書くように、関係の中で生きているからだ。
他人との関係がない「ヒト」になって、人間社会で生きるのは大変だ。

発症がゆっくりだから、なかなか薬もできない。
人によって、ばらつきもあるのだろう。

加齢によって、いろんな不具合が起こる。
昔はそれを体験できるヒトはほとんどいなかった。
寿命が短かったからだ。
でも、今は寿命が長くなって、そういう人がどんどん増えている。

これは喜ぶべきことなのか‥。

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