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2018.09.20 Thursday
ドラマの価値観
アメリカのアクション系のドラマには、特定のパターンがある。
こういうシチュエーションになったら、こうする、というものだ。 時限爆弾の解除をするとかいうパターン。 一人がそれをやっているが、仲間が見守っている。 そういう時、最後の線を切ったりするときに、自分から離れてくれというが、仲間は離れない。 Not a chance、とかいう。 合理的に考えて、仲間が爆弾から離れるというパターンもあるが、離れないパターンの方が多いように思う。 海兵隊が出てくるドラマなどもそうだ。 現実の世界なら、どう考えても撤退するピンチの場面。 司令部の指示は撤退。それでも、仲間を残しては逃げない。 たいがいは仲間を救いに行って、ギリギリのところで脱出。 そういうパターンだ。 今、ケーブルテレビで、昔やっていたSWATのリメイクをやっているが、そこであったパターン。 FBIの捜査官の息子が人質になり、押収した麻薬を返さなければ殺すという。 規則で、押収した麻薬を持っていくのはダメで、偽物を作る。 しかし、捜査官は息子を救うため、規則を破って押収した麻薬を一人で持っていく。 SWATの隊長は、捜査官が規則を破ったことを報告せず、部下たちに「俺は一人で助ける。お前らはクビになるから、知らなかったことにしろ」という。 それでも、部下たちは隊長についていく。 そして、取引の現場にみんなで行って解決。 こっそり、本物を戻しておく。 こういうのも、よくある。 これらの場面で共通しているのは、「仲間は家族であり、決して見捨てない」というメッセージ。 場合によっては、規則を破ってもそれを貫く、ということだ。 裏を返せば、現実の世界でも、危険な仕事が多いということだろう。 現在のアメリカは、18歳から26歳の男子がいざという時の徴兵に登録している。 それとは別に、志願兵制度も機能しており、主に貧困層の若者が志願しているらしい。 不法移民がそれらの受け皿になっている、というサイトもあった。 志願兵を集めるという目的でも、これらのドラマは機能しているのだろう。 兵隊になって、軍の一員になれば、強いメンバーシップがあり、誇りと栄誉が待っているし、どんなに危ないときでも見捨てられない、ということだ。 ドラマでは、たいがいピンチになっても助かる。 現実ではそういうわけにはいかないだろう。 そう思うと、美しく描かれているドラマの裏側が透けて見える。 それでも、そういう価値観を刷り込まれた人たちは、実際にそういう行動をするかもしれない。 それはそれで、すごいことだと思う。 その価値観自体は、悪いことではないと思う。 それをプロバガンダと見るか、それともアメリカの普遍的な価値観と見るか、難しいところだと思う。 |
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