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2018.09.07 Friday
ギターもどき
ぼくがカシオのDG-20というデジタルギターを買ったのは、1980年代。
当時カシオはカシオトーンをはじめとして、楽器にも相当力を入れていた。 そのカシオの意欲作が、デジタルギター。 結論からいうと、残念ながらこれは成功はおさめられなかった。 一部のギターフリークと珍しいもの好き(ぼくがその一人)が買った程度。 何年間売っていたんだろうか…。 調べてみると、DG-1、DG-10、DG-20というバリエーションがある。 基本的な発音メカニズムは同じ。 弦はみんな同じ太さのナイロン弦で、張力はゆるい。 ボディが総プラスチック製だから、そんなに強い張力には耐えられない。 フレットがゴム製で、押さえたところにスイッチがある。 それで、音の高さを認識する仕組み。 音が出るのは、弦を弾いて、振動したとき。 音源は6つあって、6本の弦一つ一つに割り当てられている。 当時のカシオは企業理念の「創造憲章」の最初にあるように、「独創性を大切」にしていた。 ギターという楽器を電子化するとき、誰もが考えるやり方だったと思う。 しかし、本物の楽器メーカーでは、没にしただろう。 これはギターではないからだ。 そもそも、試作品も作られなかったかもしれない。 しかし、楽器に関しては新興メーカーだったカシオは、愚直にそれを作った。 おそらく、ポータブルキーボードの音源とスピーカーを使って、ギターに仕立てるという企画だったのだと思う。 それなら、新たなものを作るのは最小限で済む。 できた楽器は、ギターの形はしているものの、ギターもどき、という感じ。 たしか、5万円くらいで売ったと思う。 当時はまだギターブームがちょっと下火になった程度だったから、ギター人口は多かった。 どれくらいのセールスがあったかはわからない。 リズムマシンもついて、ポスターのキャッチコピーが「6本の弦でキーボードする 楽器のNEXT WAVE」と書いてあった。 なぜか、ヘリコプターをバックに、デジタルギターを弾いている姿のポスターだ。 何となく、未来的な感じをかもし出したのだろう。 単1電池6本という重装備。 今では懐中電灯でもそんなに使わない。 まだ、部屋に置いてある。 MIDI出力もあるし、DTMの打ち込みには使えるかもしれない。 久しぶりに、電池を入れてみようかと思う。 音が出るかな…。 |
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