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2018.04.15 Sunday
学位より社内教育
WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)によると、アメリカで大学の学位よりも、社内教育の方がマシだ、という企業が増えているとのこと。
要は、それだけ大学生のスキルに疑いを持っているということ。 記事にはこうある。 「この数十年、米政府は4年制大学への進学者を増やす政策を進めてきた。高校の進学準備カリキュラムを拡大し、学生ローンの利用を促進するなどした。だが技術の変化するスピードに大学教育が追いつけなくなり、仕事に必要なスキルを学生に教えない学校があまりに多いと雇用主はこぼす。基本的なクリティカルシンキング(批判的思考力)すら身についていない場合があるという。」 アメリカの企業は、職種別採用をやっており、新卒一括採用というようなシステムではない。 ポテンシャルを信じて採用する、という日本の年功序列、終身雇用のシステムではないのだ。 だから、雇用に際して要件が明示される。 それができる、というのを表すのが大学で授与される学位。 もちろん、それだけではなく、インターンの実績や個別のインタビュー(面接)で問われる。 そのアメリカで、大学の学位が、役に立たなくなり始めているということだ。 世の中の技術の進歩が早すぎて追いつかないとか、いろいろ理由はあるのだろう。 日本では、もともと文系の職種は、大卒に専門性を求めてはいない。 なぜかというと、文系は求人が「全学部・全学科」になっているからだ。 法学部を出た人がほしいとか、経済学を学んだ人がほしいとか、そんなことは求人段階では一切ない。(選考段階では有利不利はあるかもしれないが) これはすなわち、企業が大学教育に期待していないということだ。 そういう意味では、文系学部は不要だ、という乱暴な意見にも一理はある。 だからこそ、ユニクロは1回生から内定を出す。 どこの大学に入ったかという情報以外は要らないということだ。 しかし、アメリカの大学は入りやすいが出にくいと言われているのに、「基本的なクリティカルシンキング(批判的思考力)すら身についていない」などということがあるのだろうか。 1週間に何冊も本を読まないと通らない、という話があるくらい、厳しい大学生活だと聞いているが…。 大学の数が増えて、玉石混交になっているのかもしれない。 だから、企業の中にはそれらを入ってから教育する、というところが出てきたとのこと。 図書館を作ったり、授業をやったりしているらしい。 アメリカのように、日本よりも大学教員の流動性が高いところでも、こんな状態だ。 日本では、年寄りが教授、准教授を占めて、若い人たちが非常勤や非正規になっている。 だから、論文も減っている。 これは深刻な状況だ。 この状態に危機感を持たないといけない。 優秀な若手教員を取り立てて、年寄りは早めに引退すべきだ。 そうしないと、日本自体が沈んでしまうぞ。 |
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