考えたこと2

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スラバヤ通りの妹へ
松任谷由実の45周年ベストアルバムが今日届いた。
ぼくが熱心にユーミンを聞いていたのは主に荒井由実の時代。
「ひこうき雲」から始まって、「ミスリム」「コバルト・アワー」そして「14番目の月」。
この4枚は本当によく聞いた。

その後、結婚して松任谷由実になってからは、アルバムも歯抜けになった。
思い出したようにLPレコードを買った。
CDになってから買ったものもある。
それを補おうと思って、今回のアルバムを買った。

今回のアルバムには、その曲を表す写真と歌詞、そして本人のコメントが自筆で入っている本がついている。
厚みがほとんど1センチある。
ベスト盤だから、曲を作るのにお金はかかっていないが、ここにはコストをかけた。
曲を作った時の気持ちや、思い出が自筆で書いてあって、写真の上に歌詞が印刷されている。
この写真と歌詞とコメントが本当によくできている。

「水の中のASIAへ」という1981年のアルバムがある。
LPの時代に4曲入りの12インチEP版として出た。
ぼくは買っていないが、その中の1曲がベスト盤の1枚めに選ばれている。
ユーミンがインドネシアに行って、作った曲だろう。

ジャカルタのスラバヤ通りというところで出会った女の子の歌詞。
その曲のコメントにユーミンが書いている。

ジャカルタの街角で
ふと知り合った女の子。
貧しい離島から出てきたそう。
子どもがふたりいるそう。
かりそめの交わり。
かがやく瞳と裏腹な、
彼女の過酷な未来を思った。

ぼくがジャカルタに出張で行ったのが1997年。
インドネシア日記という記事を書いたことがある。
ユーミンが行ってから16年後だったが、その時でも日本との貧富の差は大きかった。
工場で誤って腕を切ってしまっても、救急車がなかなか来ず、一緒にいたインドネシアの人が、この国ではこんなものだ、と言っていたのが強烈に印象に残っている。
日本は豊かなのだ、と強く思った。

ユーミンはぼくの16年前だから、もっとそういう思いを感じたはずだ。
そう思って、この曲を聞くと、その時の気持ちを思い出して涙が出る。
コメントにあるように、彼女には過酷な未来が待っているのだから。

妹みたいね 15のあなた
髪を束ね 前を歩いて

という歌い出し。
ピアノの前奏はちょっと暗さを感じさせるが、歌が始まると、とても明るい。
曲の中には、「やせた年寄りは責めるように 私と日本に目をそむける」という歌詞も出てくる。
81年はまだそういう時代だったのだろう。

街角で出会って、英語でカタコトの会話をした、15歳の少女に対するユーミンの温かい眼差しが感じられる。

ユーミンのベストをこの前選んだが、この曲は新たに上位に入る曲だ。

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