考えたこと2

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OODA
アメリカの海兵隊といえば、最も機動的な組織。
そこで課題解決に使われている手法が、OODAだという。
OODAと言われても、なんのことがわからないだろう。
でも、これはPDCAの代わりだと言えば、分かる人には分かる。

PDCAというと、1979年に会社に入った時に習った。
Plan-Do-Check-Actionという、科学的な品質管理の手法の一つ。
課題解決のためには、PDCAという手順を踏まないといけない。
計画し、実行し、評価し、改善する、という手順。

しかし、もうそれは古いらしい。
記事からOODAの解説を引用する。

「OODAループは「観察(Observation)・情勢判断(Orientation)・意思決定(Decision)・行動(Action)」の4段階からなる。最初の観察では五感を駆使して現実をあるがままに直観し、暗黙知的に知覚する。最新の脳科学でも知覚的な情報はほとんど身体が吸収し、脳はそこからしみ出る一部の情報を認識していることが判明している。次の情勢判断では、過去の経験、自身の資質、身についた文化など自らが蓄積してきた暗黙知と新たに知覚した情報をもとに判断する。そして、対応策を意思決定し、行動に移す。

特に重要なのが「ビッグO」と呼ばれる2番目の情勢判断だ。それぞれの部分的な知を総合して全体としての概念を導き、判断する。こうして暗黙知と形式知を相互変換しながら、「部分から全体へ」と総合し、概念化していくことを「暗黙的知り方」と呼ぶ。客観的な数値データをもとに「AだからB、BだからC」のように論理をたどる「分析的思考」よりはるかに俊敏に判断ができる。この過程で論理では到達できない「跳ぶ発想」が入ると創造的でイノベーティブなアイデアが創発され、新しい価値や意味が生まれる。」

ぼくらは主に品質改善の手法としてPDCAを習ったが、海兵隊の用途はもちろん戦争だ。
その戦争の中でも、素早く機動的に動き、場合によっては中央の指示を待たず自律的に動くことが求められている。
物量で勝つというより、素早い機動力で勝つ、という感じだ。
その中で大事なのが、OODAという考え方らしい。

中でも、2番めの「O」であるOrientation(情勢判断)が大事だという。
ここでは情勢を見て、リクツだけではなく身体が持っている暗黙的な知識を駆使し、新しい価値や意味を生み出すとのこと。
この訓練のために、13週間のブートキャンプをする。

PDCAの問題点は、Planする前の段階がないことだ。
正確に情勢判断をしてから、planを立てる必要がある。
だから、観察(Observation)・情勢判断(Orientation)というところが大事になる。

品質管理というような、目標が決まっているものについてはPDCAが有効だが、世の中にいろいろある課題を解決しようというような場合、OODAの方が有効なのもわかる。
海兵隊の戦いは相手がどう出るかわからないから、Plan自体が難しいのだろう。
それを現場で個々人に求め、機動的に動くということらしい。

ITは分析が得意だ。
しかし、分析されたものを統合的に考え、新たなものにジャンプするような思考は、人間に分があるような気がする。
記事の中でも、「米マイクロソフトもAI開発に関して、「他者に共感する力をAIが身につけるのは極めて難しい」として、人間の「代替」ではなく、「能力の拡張」を目指す立場を明示した。AIが進歩しても、最後は人間性が求められるのだ。」と書いてあった。

PDCAのような、トップダウンでやるものではなく、決断を早くしようとすると現場の機動性を重視せざるを得ない。
だからこの情勢判断というのも、それぞれの観察結果を持ち寄って話し合って、上に上げて…というものではなく、その場で共感するという感じなのだろう。

AIに勝つための「OODA」。

こういう事ができるように、頭を鍛えておくといいかもしれない。



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