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2017.11.19 Sunday
AIと雇用2
昨日は人材育成のことを書いたが、その続き。
人材育成以外の課題も書いてあった。 まずは、人間でなければできない仕事を担う人材への積極的な投資とのこと。 これまでの分析結果では、機械による代替えは中スキル業務で進行し、代替えされるレベルが上がっているらしい。 中スキル、というとやっぱり事務一般というところだろう。 転記業務や集計業務、一部の調査や分析、報告書の作成などがそれらにあたるところ。 結局は身体をあまり使わない仕事で、人間との折衝がなく、数字や文字を扱うものであり、簡単な判断が必要なもの、という感じだ。 膨大な資料から、相手の欲している内容を見つける仕事はAI化されても、その情報を顧客に伝えるところは主に人間が受け持つということだ。 身体を使ったり、人と接したりする仕事は置き換えがまだまだ難しいということだろう。 となると、高スキルと低スキルの仕事を担う人材への投資ということになる。 それこそ、昨日書いたデーターサイエンティストなどの育成は急務だろう。 それ以外にも、人と接する技術を上げるとか、身体を使う仕事を高齢者でもできるようにする(ロボットスーツなど)とか、いろいろありそうだ。 しかし、人と接する技術を上げる、というのは書いたら簡単だが、やるのは難しいだろうなあ。 何をどう上げるのか、というところが難しい。 でも、そういうことの理解も含めて投資する、ということだ。 次に書かれていたのは、古い技術の下で働いていた労働者の再教育・再訓練、企業を超えた円滑な労働移動を可能とする環境の整備だ。 この問題は大きい。 既存の企業は年功序列、終身雇用からなかなか抜けられない。 それが古い労働者の再教育・再訓練を妨げている面がある。 また、その人たちが正社員であると、労働生産性の割に給料が高い、という問題もある。 しかし、それらをセットにして、年金制度などが設計されているから、なかなか身動きが取れないのだろう。 守られて当たり前という環境から、仕事はなくなっても、すぐに次に移れる、という仕組みを作る必要がある。 そうでないと、100歳まで生きるというのに、終身雇用といっても定年までしか働けない。 若い人たちで高いスキルを持った人が、給料の安さから外資系の企業に就職したり、海外に流出したりするのも根っこは同じ問題だろう。 雇用の流動化は今こそ必要だと思う。 最後にあるのは、税による再配分の検討。 「イノベーションは経済格差を生じさせるもっとも大きな要因だが、それを止めると経済が発展しない。 イノベーションを推進し、そこから生じる格差を縮小するには、再配分の検討が必要。」 そういうことだ。 これは税のシステムを考え直すということだ。 今の財政を考えると、こちらも早く手をつけた方がいい。 AIが働いた分の税金を再配分するという案もある。 とにかく、今の硬直した体制を、若い人たちにとって少しでも魅力的な未来にしていかないといけないと思う。 それがぼくらも含めた世代の役目だろう。 |
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