考えたこと2

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みおつくし料理帖
みおつくし料理帖 高田郁 ハルキ文庫

NHKで時代劇をやっているのを見て、読んでみようと思ってここに書いたら、大学時代の友人が10巻を貸してくれた。
友情に感謝。

シリーズ10巻あって、1巻あたり4つくらいの料理が出てくる。
もちろん、それに因んだストーリーが絡む。

主人公は澪(みお)という料理人。
天性の味覚を持って生まれたが、今は天涯孤独の身の上。
料理の腕を見込まれて、大阪で修業をするが、店は潰れて今は母親代わりの女主人と一緒に江戸に出てきている。
事故で別れた幼馴染が、何の因果か吉原で太夫になっていることを知り、救い出したいと思う。
これが10巻全体を貫く縦糸。
横糸は勤めている料理屋の面々が織り成す人間関係。
主人公の恋もあれば、商売敵の料理屋との競争もある。

高田郁という人は、以前「銀二貫」という時代小説を読んだ。
その時も、絵になる小説を書く人だと書いたが、このシリーズもそう思う。
マンガの原作をやっていただけのことはある。

随所にホロリと泣かせる場面が散りばめられている。
料理を食べた何気ない客の一言が、主人公を喜ばせる。
もちろん、笑わす場面もある。

料理や食材、味、においなどの模写もいい。
澪のいる「つる屋」に行ってみたくなる。
このへんも絵になる小説だろう。

この人は市井の職人が好きだ。
主人公の澪が作る料理は、高い食材もでないし、庶民が食べられるもの。
歴史には名を残さないが、そういう職人たちが今の料理を作ってきたという澪の思いもある。
その人たちを愛でたいという気持ち。
読んでいて励まされるのは、澪がいつも安い値段で材料をムダにせず、それでいて美味しいものを作ろうとすること。
そして、それを食べる人たちが、料理人に感謝の気持ちを持つことだ。

自分はどういう料理人を目指すのか、というのも10巻を貫くテーマになっている。
一流の料亭で腕を振るうのか、それとも…。
その道をみつけ、生きていくのだ。

こういう時代小説を読んで楽しめるのは、本当に幸せなことだと思う。

みおつくし料理帖、全10巻。
読みだしたらやめられない。

このシリーズも睡眠不足注意だ。


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