考えたこと2

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失業率と自殺率
日本の2016年の失業率は世界で98位。
もちろん、高い方から1位での順位だ。
3%ほどで、日本の失業率は世界的でも低いと言える。

西欧で失業率が高い方の国というと、ギリシアやスペイン、イタリアがある。
いずれも10%〜20%になる。
ギリシアが3位、スペインが7位、イタリアが20位だ。

日本では失業率と自殺率は相関が高い
失業率が増えると、自殺率が上がる。
ちなみに、日本の自殺率は2015年で18位。OECD加盟国では高い方だ。
19.7%という数字になっている。

でも、西欧では失業率が高くても、自殺率は高くない。
失業率の高かった国々を自殺率の順位で見ると、ギリシアが153位、スペインが91位、イタリアが101位。
だいたい、5〜8%だ。

日本の見方で考えると、失業率が高いのに、どうして自殺率は高くないのか、ということになる。
理由としては、宗教上のものや、社会のシステム上のものなどが考えられる。

宗教は大きいだろう。
キリスト教は自殺を罪としているから、少ないのかもしれない。

日本人は宗教を意識していない。
仏教は近代に入って、葬式を商売にしてしまい、堕落してしまった。
だから、ぶっちゃけていえば、本来の宗教上必要な、自分は何者かという問いを発する機会がない。
和を大事にするという社会の同調圧力もある。
そういうのが、原因の一つになっていると思う。

もう一つの原因は、現在の雇用慣行だ。
今や労働者全体の半分に減っているが、「正社員」という働き方。
会社に正社員として入ると、終身雇用制度に守られた身分になれる。
会社側は簡単には首を切れない。
今や組織率は17%程度しかないが、労働組合も守ってくれる。

ただ、そこからはみ出ると、なかなか雇ってもらえない。
新卒のチャンスを生かすことができなかったり、3年以内にドロップアウトしたり、中高年になって追い出し部屋のようなところに入れられて、やめてしまったりすると、なかなか復活できない。

終身雇用とセットの年功序列賃金の影響もあるだろう。
若い頃は安く抑えられ、年をとると高くなるという制度。
結果的に中高年が給料が高くなる。
今のように、技術革新が早く、それを知っている若い人たちが生産性が高くなったりする場合、年功賃金の制度では生産性との乖離が大きくなってしまう。
高い生産性を得られる若い人たちは報われない。
でも、我慢して働かざるを得ない。
辞めてしまうと、正社員のレールに戻れなくなる。
そのへんにもストレスがあるのだろうと思う。

つまり、仕事をいったん失うと簡単には元のレールにはなかなか戻れないという社会だ。
だから、失業率と自殺率は相関があるのだろう。

きっとイタリアなどは、仕事を辞めてもまた働くことのハードルが日本ほど高くないんだと思う。

これからの日本は成長分野を見つけ、仕事を変わっていく時代だ。

そうすることが、若い人たちが幸せになれる道だと思う。


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