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2017.10.15 Sunday
勉強は価値がない
「末は博士か大臣か」という言葉がマジメに語られていた時代は、まだ勉強することに価値があった。
勉強しないと、博士や大臣になれない、という価値観だ。 しかし、政治家の汚職事件があいつぎ、田中角栄のロッキード事件あたりから、大臣は消えた。 今では大臣になっても、この人は尊敬できる人だ、という意識をあまり持たない。 90年代以降は、どちらかというと悪いことをやっている、という意識のほうが高まった。 今の若い人で、真剣に大臣になりたいと思う人はいないと思う。 だからこそ、政治家は商売になり、後援会は組織化されて二世議員、三世議員ばかりになった。 それに比べて、博士はまだマシだ。 少なくとも、悪いことはしない。 しかし、文科省の方針で大学院の重点化をして、博士が大幅に増え、博士になっても職がないという状況になった。 おまけに、年を取った人たちがなかなか退かない。 だから、若い優秀な人達が博士を目指さなくなった。 3万人の博士号取得者が、定職につけず漂流しているという。 もちろん、偉い博士はいるのだが…。 それでは何が代わりになったのか。 お金に価値が移ったと思う。 儲ける人がエライ、ということだ。 昔は儲けることは、あまりエライことではなかった。 お金は二の次、それよりも…、という価値観だった。 よくテレビで、「金儲けより大事なものがある」という言葉も聞いていた。 でも、いつの頃からか、そういう言葉は聞かなくなった。 それが、こないだ記事で見た「勉強は大事ではないからしなくてもいい、アルバイトや野球やサッカー、ダンスやアイドル活動をしていれば、勉強はしなくてもいい、と実際に発言する生徒や保護者が大勢いる」という状況を作っているのだろう。 そして、その風潮が民主主義の劣化を招いているような気がする。 だから、タレント候補が既存の政党推薦者を抑えて勝ったりする。 だから、既存の政党もタレントに目をつける。 タレントが悪いとは言わないが、どうしても一般大衆の意見に流されるだろう。 そんなこんなで、本当の問題を先送りして、センセーショナルな話題に飛びつく。 マスコミも同じだ。 そうして、民主主義が劣化していく…。 そんな気がする今日この頃。 |
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