考えたこと2

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エクセル方眼紙
10年ほど前に、初めてエクセル方眼紙を見た。
どこかから送ってきた書類で、エクセルのセルが方眼紙のように敷き詰められていて、どこにでも文字が書けるというものだった。
日本人のワープロに対する意識は、以前の一太郎のように、紙の上にペンで字を書くというもの。
それに対して、WORDのようなアメリカ発のソフトは、タイプライターのように、紙を送って一行ずつ端から書くというものだ。

今はアメリカ流のワープロが主流になったが、90年代後半は一太郎が強くて、紙のどこからでも文字を書けるというのが主流だった。
でも、いきなり、紙の真ん中に字が書けるというのは、コンピューターには向かない。
紙の上端から、リターンを入力して、縦方向の真ん中にカーソルを持ってきて、そこからスペースを入れて書きたいところまで動かし、そこで初めて字を書く方が向いている。
紙は便宜上見えているだけで、データーを端から入れていくということだ。

紙を意識すると、一枚のデーターを持たないといけない。
それは想像以上に難しい。
一太郎は頑張っていたのだが、最後にはWORDに事実上負けた。

その頃から、エクセル方眼紙が出てきたのではないかと思う。
エクセル方眼紙なら、どこからでも書くことができる。
セルの無駄遣いとも言えるのだが、どうしてもいきなり真ん中に書きたいという人には喜ばれたんだろう。
きっと西洋人にはない発想だ。

でも、縦書きから横書きに変えた時点で、日本語の伝統的な書き方を変えたのだから、ぼくらもタイプライター方式に慣れるしかないと思う。
それをエクセル方眼紙でやってしまうのは、ぼくは無駄だと思う。

特に役所からの書類にエクセル方眼紙が多かった。
役所では、従来の紙の様式に合わすことが重視されたんだろう。
方眼を細かくすれば、いくらでも従来の様式に近づけることができる。
ご丁寧に、セルの罫線を非表示にしているものもあった。
たぶん、会社にいたら、知らないまま過ぎていただろう。
初めてみた時はビックリして感心した。

しかし、エクセルというツールはもともとデーターを入れるためのものだ。
セルの場所とデーターを関連付けて演算する機能もある。
エクセル方眼を最初に考えた人はエライと思うが、間違っているとも思う。
データーを入力するためには、どこに何が入っているかわからないといけない。
入力したものをデーターと考えれば、それは適当に入力してはいけないのだ。
エクセル方眼には、書かれたものをデーターにしようという考えがないと思う。
あったとしても、隙間だらけの冗長なデーターになる。
これを使う人は、コンピューターを清書の機械だと思っているのだ。

先日、エクセル方眼について公開討論会を行われたらしいが、ぼくは反対派だ。
あくまで、エクセルはデーターを整理するためのもの。
コンピューターが賢くなって、今では高度な印刷もできるようになったが、それはワープロに任すべきだろう。
紙の上のどこかに字を書くために作られたものではない。

こういうことが、生産性が上がらない原因かもしれない。
いつまでも紙の文化の形式にとらわれず、変えていかないといけないと思う。

と思ったら、2016年11月に文科省に対して、ようやく「エクセル方眼全廃」の指令が出たらしい。
さすがに大学の情報関係の先生から文句が出たからだ。
それまで、国立大学法人などではだいぶ使っていたんだろう。
役所のリテラシーの低さがよくわかる。

でもまあ、これで指導すべき役所が使わなくなったから、マシになるということか。

しかし、ビル・ゲイツがエクセル方眼を見たらどう思うだろうか…。


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