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2017.10.01 Sunday
ひよっこ
朝のドラマ「ひよっこ」が終わった。
ひよっこは、茨城県の奥茨城村という架空の田舎から出てきた、集団就職の高卒生が東京で頑張るハナシ。 ちょうど団塊の世代に焦点を当てて、その歴史を辿ったようなストーリーだ。 主人公が高校生の時代に東京オリンピックだから、ぼくより10歳ほど上。 今の70歳前後の人たちの時代と重なる。 主人公の父親が記憶喪失で行方不明になるという、昭和らしいアクシデントで、長女が東京で働くことになる。 最初に勤めたトランジスタラジオの工場の寮で仲間を作る。 女子寮でコーラスをやるのだが、それがロシア民謡のトロイカだったりする。 そんな時代だった。 でも、工場は不景気で潰れ、父親のゆかりのあったレストランで働くことになる。 父親を見つけ、初恋、失恋、そして婚約というストーリー。 途中でビートルズの来日や、ツィッギーのミニスカートブームなどのエピソードが入る。 まさに、昭和の価値観で見ることができる。 今回のドラマのテーマは「仲間」というものだったと思う。 工場の乙女寮の一部屋に6人の雑魚寝。 今なら劣悪な環境のブラック企業と言われるだろう。 昭和なら、当たり前だった。 でも、その6人のつながりが、工場が潰れてバラバラになっても続く。 そして、レストランの裏のアパートの仲間。 こちらのアパートも4畳半で炊事場が共同。トイレも共同だろう。 漫画家志望の若者2人。これは藤子不二雄がモデルだ。 ドラえもんのパロディで、主人公をモデルにした、たぬき型ロボットのマンガを描く。 ベテランのOL、寮長だった女性、オーナーの元芸者、主人公の女優志望の同級生、レストランの料理人、シェフ、女主人、いきつけのバーのマダム、近所の和菓子屋などなど…。 その仲間がいて、助けてくれたり、助けたりする。そういうドラマ。 四畳半のトイレも風呂もない貧しい暮らしだが、それが貧しいと思えないのは昭和の人間。 あんな時代だったよな、と思う。 一昔前の青春物を見ているような感じだった。 ああいう暮らしが普通だった。 「貧しいけど、希望を持って、みんなで頑張ろう」という感じ。 これから成長していく社会。 街には若い人が溢れていた。 ほんの40年ほど前にはそういう時代があった。 そこから日本は豊かになって、一時は世界2位のGDPまでに成長した。 そして、今も豊かだ。 でも、自殺率が高く、昭和の時代に作られた仕組みが重荷になって、社会に希望がないように思う。 それでも頑張れば、もう一度あんな時代が迎えられるだろうか。 やってみないとあかんなあ。 |
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