考えたこと2

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科学の衰退
9月に入って、日本学術会議臨床医学委員会というところが、「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」という報告書を出した。

ぼくは要旨だけしか読んでいないが、子どもの放射線被ばくと健康への影響については、最初に国連科学委員会という団体の発表を引用している。
そこでは、「将来のがん統計に おいて事故による放射線被ばくに起因し得る有意な変化がみられるとは予測されない、 また先天性異常や遺伝性影響はみられない」という見解。
また、甲状腺がんについては、「最も高い被ばくを受けたと推定される子どもの集団については理論上 そのリスクが増加する可能性があるが、チェルノブイリ事故後のような放射線誘発甲状 腺がん発生の可能性を考慮しなくともよい」という指摘とのこと。
要は、放射線の影響は大きくないということだ。

報告書の冒頭が引用という、まことに格好の悪いことだが、ではこの報告書の結論はどうかというと、それは甚だわかりにくい。
結局は、いろんな要因があり、まだ考え方が確立していなかったり、冒頭の国際機関の発表とは異なる意見もあるから、共通認識に至っていないということらしい。
締めくくりには、全ての関係者を入れた協議の場が必要だ、と書いてある。

事故から6年もたって、まだ共通認識に至らないというのは、困ったものだ。
実際、ネット上で検索すると、福島の子どもの甲状腺がんは異常に多く発生している、という事を言っている記事の方が多い。
国際機関や学術会議とは180度違う意見だ。

どうも、今まで小児甲状腺がんを大規模に調べた調査結果がなく、福島の結果はそれを調べたから出ただけであって、「異常に」多いとは言えないということらしい。
さらに、甲状腺がんは進行が遅いということもあって、「過剰診断」や「知らない権利への配慮」に関して医療倫理面からの議論を深めるべき、という意見も書かれている。
実際、甲状腺がんは亡くなってからの解剖で見つかることも多く、他のガンとは比較できない部分もあるとのこと。

ぼくはよくわからないが、この問題については、ちゃんと科学的に解決して今後の放射能事故の事例にするべきだと思う。
人間の体のこととはいえ、検査結果を統計的に処理すれば話はできるはず。
福島ではないところで検査をやって、そことの比較で話をすればよい。

今までもそういう事はやってきているのだが、福島での放射能を問題視している人たちはそれに納得していない。
それなら、どういう調査をすればいいのか、話し合おう、というようなことがこの報告書の主旨であるように思える。
話し合う気がないのだろうか…。

いつまでも結論が出ないと、不毛な論争が永遠に続くだけだ。

早く不毛な議論に終止符を打ってほしい。​​

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