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2017.08.13 Sunday
奇跡の教室
WOWOWでやっていた。
2014年のフランス映画。 問題児クラスの高校生たちが、第二次大戦時の虐殺について調べるコンクールを通じて、クラスをまとめるという物語。 出てくる俳優は全く知らない人ばかり。 29の民族がいるクラス。 ぱっとみても、アラブ系、アフリカ系の生徒が白人の中に混じっている。 日本では考えられない。 こういうことが日常的に起こっている国は、やっぱり強い。 平和ボケにはならないだろう。 フランスの個人主義と相まって、人と人は仲良くできない、という状態が当たり前。 宗教も違えば、風習も違う。 そういう人たちがどうやってわかり合うか、ということだ。 日本のように、わかり合うのが当たり前、という文化ではない。 逆に、分かり合えないのが当たり前の世界。 民族や宗教のぶつかり合いだ。 今の西欧諸国はそんな状態になっている。 そういう中で、教師はクラスをまとめようとして苦悶する。 強制収容所の歴史を知ったら、うるさかったクラスも静かになる。 コンクールの発表に向けて、自主的にグループを作り、構成を考え、まとまっていく。 宗教や民族の違いを超えて、生の尊厳について考え始める。 そういう姿を見ると、「死」が大事なことがわかる。 人は「死」を考えることで、謙虚になる。 高齢化社会で、死は遠い遠いものになった。 学校で死について考えることなどない。 だから、生をも真剣に考えられなくなる。 そういう意味で、戦争の悲惨さは伝えられるべきなんだろう。 平和が大事だということよりも、生の尊厳を伝えるべきだ。 現代のヨーロッパの民族の問題と、彼らがそれを乗り越える努力をしていること、そして何より「生」や「死」を教えることの大事さがわかった。 いい映画だった。 |
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