考えたこと2

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文科省に欠けているもの
文科省に欠けているのは、省名にも含まれている「科学」の考え方だと思う。
教育について、もっと科学的に考えないといけない。
今の世の中は「エビデンス・ベースド」の世界。
「エビデンス・ベースド」というのは、「科学的根拠」のことだ。
当の文科省が、大学に対して「質の保証」を言っており、それはある程度数値に基づくものを求めている。

教育経済学とい学問があって、それはまさに「教育を経済学で捉え、エビデンス(科学的根拠)から教育を考える学問」ということだ。
それを修めている中室牧子という人が、講演会で言っている。
長くなるが、その講演を聞いていたい人の記事を引用すると、

「米国をはじめとする欧米では既にエビデンスベースト(evidence based)の教育経済学的なアプローチから先行研究が進んでおり、「どこに投資するのが費用対効果が良いのか?」については既にある程度答えが出ているそう。
 では、一体どこに投資すべきなのか。
 それはずばり「幼児教育」と「教員の質を高める」の2点に尽きるとのことでした。
 教育において、最も収益率が高いのは「就学前から小学校低学年にかけて」で、教育のシナジー効果を期待できるから。
 かけ算が分からなければ因数分解は分からない。
 因数分解が分からなければ微分積分は分からない。
 だからこそ、国民全体のアウトプットを最大化するためには、幼児教育や初等教育が重要なのだそう。
 さらに、その教育効果を最大化するために最も重要な要素は「教員の質を高める」こと。
 「元々の学力水準が同じ子どもを、能力の高い教員が教えた場合、子どもたちは1年で1.5年分の内容を習得し、能力の低い教員が教えた場合、0.5年分しか習得できなかった」という研究結果が出ているなど、能力の高い教員は、子どもの不利な環境を帳消しにしてしまうほどの効果を持つのだとか。」

中室准教授のことは今までに2回書いた。
いずれも教育に対する科学的なアプローチについてのことだ。

この人の言っていることはまっとうだし、その通りだと思う。
勉強は積み上げであり、最初でつまづくと後でわかる、というのは不可能。
そして、それを教える人が優秀かどうかがキーになる。
まさに、アメリカの研究結果の示す通りだ。
実際に20歳を超えた学生を見ていて、それを痛感する。


自分でも同じことばかり書いていると思う。
でも、本当にそう痛感するから仕方ない。

それらの科学的根拠を出さずに、小学校で英語を教えるとか、プログラミングを教えるとか言っている。
幼児教育、初等教育の教育課程は変えないし、そこを教える人たちへのプライドやリスペクトをもっと持たせるようにできないものか。
本当に優秀な人が、幼児教育や初等教育の先生をやることはできないのか。

極論すれば、学校は「先生」なのだ。
設備や立地や伝統など関係ない。
それがぼくが10年間教育に関わって思ったこと。

そこを政策目標にしないと、よくならない。


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