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2017.06.09 Friday
インドの電気自動車
トヨタとホンダについては、痛いニュースがあった。
インド政府が「2030年までに国内で販売する自動車を全て電気自動車に限定する」という。 トヨタとホンダはハイブリッドの時代がもっと長く続くと思っていただろう。 その分、動力がモーターのみの電気自動車の開発は遅れている。 もっとも、スバルやマツダなども同じことだ。 エンジンに依存している会社は「やばい」ということになる。 新興国が電気自動車に走るのは当然だろう。 国内にエンジンやその部品を作っている会社がまだまだ少ない。 これから投資するとしたら、電気自動車になる。 それを促進させよう、という作戦だ。 モーターで走る自動車を作り、インフラを整備し、次のモータリゼーションのメインプレーヤーの一人になれるかもしれない。 この分なら中国も同じような目標を出すかもしれない。 すでに中国は2015年には世界最大の電気自動車市場になり、世界の電気自動車生産の3分の1を担う世界最大の生産国になったらしい。 販売されているEVの40%は2人乗りの3メートル以下の小型車らしいが、そこで生産ノウハウを積めば一大産業になるだろう。 なんせ12億人が住んでいるんだから、需要は大きい。 すでに日本で完成車を作っている会社は、車を作るというノウハウはあるが、一方でエンジンという過去の遺産を清算しないといけない。 これが大変だと思う。 特にトヨタなど、系列を作り、それを最適化するようなヒエラルキーを作ってきた会社などはシンドイだろう。 だから、社内でも「エンジンをどうする」という議論が今でもされているはずだ。 エンジンを作るためには、非常に精密な加工が必要だ。 それができる会社が、エンジンをやめてしまうと廃業せざるを得ない。 その加工の技術を別のところで活かさないといけない。 それらの会社は、現在エンジンの部品を作りながら、どうしようかと模索しているに違いない。 それがロボット産業なのか、飛行機なのか、ロケットなのか、それとも新しいものなのかはわからない。 今働き方改革と言っているが、日本の基幹産業である自動車が今どういう位置づけにあって、何が必要なのか、そのために何を支援するべきか、考えないといけない。 場合によっては、市場からの退場を促進することになるかもしれない。 しかし、それによって新しい仕事が作られるのなら、それも致し方ないと思う。 今必要なのは、これからの日本の産業のデザインだと思う。 少子高齢化の中で、ぼくらの子供が年寄になるころには2人に一人が高齢者ということに近づいていく。 農業はどうあるべきか、ものづくりはどうあるべきか、サービス業はどうあるべきか、そこにITをどう絡めていくのか、そんなことを考えないといけないと思う。 |
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