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2017.03.30 Thursday
時短がベア?
どちらも会社用語なので、見てもわからない人はいるかもしれない。
時短とは時間短縮のこと。 今流行の働き方改革、残業を減らす、という目的で、勤務時間を減らすということだ。 ワークライフ・バランスというようなことも言われている。 ベアはおなじみのベースアップのこと。 春闘や秋闘で労働組合と経営者が話し合う。 最近はベアゼロというような言葉も使われて、なかなかベースアップはできない時代が続いた。 でも、今季の春闘では「時短がベア」というような言葉が出てきた。 日経新聞にもそんな言葉が出ている。 3月8日には味の素が一日20分の時短で1万4千円相当のベアになる、という記事もあった。 まあ、理屈はわかる。 ベースアップの代わりに労働時間を減らして、給料は据え置きということだ。 だから、計算では上がるでしょ、と言われたらそうかもしれない。 経団連加盟企業がその状態。 労働組合はどう考えているんだろうか。 計算上は1万4千円も上がって、万々歳だ、と思っているんだろうか。 ワークライフ・バランスの改善にもつながる、ということを会社側は言っている。 いかにもみみっちい。 労働組合は、これをベアと認めてはいけないのではないか。 収入は増えないんだから。 社員のやる気がなくなる、としか思えない。 なんか、タコツボ的な会社の体制が見えるような言い方だ。 「それはベアではないが、ワークライフ・バランスの改善ということで歓迎する」くらいのコメントを出すべきだ。 せめて、その代わりに副業を認めるようにしよう、とか要求はなかったのだろうか。 おまけに、非正規の人たちは時給換算だから給料は減ることになる。 要するにコストカットなのだ。 労働組合は正社員は据え置きで、非正規は給料減になるのだから、まあええやろ、くらいのことを考えているとしか思えない。 今や労働者の4割以上が非正規の時代。 労働組合は正規社員だけを守ろうとしているとしか思えない。 結局は労働貴族なのだ。 困ったことだと思う。 |
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