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2017.02.02 Thursday
大学の先生
「大学教員の世界にも世代間格差が!」という記事を読んだ。
ノーベル賞をもらった大隅博士が「最近、大学で研究評価がとても厳しくなっているが、特に若者にとって厳しくなっています。大学に任期制が導入されてから、若い人は数年で成果を出さないといけないという、圧迫感があります」ということを訴え、その上で基礎研究の重要性を説いているということだ。 大隅博士のような人とは違い、ぼくはどちらかというと底辺に近い文系の単科大学にいたが、そこから見た景色とはだいぶ違う。 税金を投入して研究するのだから、もちろん納税者に対して説明責任が生じる。 基礎研究だから説明できない、というのならそれはやめるべきだと思う。 せめて、やっている本人は、この研究が完成した暁にはこういうことが可能になるとか、こういう可能性があるとか、そういうことを考えているはずだ。 それを熱く語ることができないのなら、そんなものはやめたほうがいい。 少なくとも、文系の研究に関してはそう思う。 若い人が厳しい、というのは年寄りが居座っているからだ。 大学にいた時、若い先生でいい先生はたくさんいた。 教育熱心で、調べてみると論文も出しており、評判もいい。 学校としてはそういう先生を雇いたいのだが、年寄りの先生が居座っていて、雇えない。 だから、頑張っても任期制教員みたいな形になる。 本当に見込みのある先生は、上の人が認めて雇うべきだと思う。 ちゃんと学部長や学科長が教員採用に対して責任を持ち、こういう教育ができて、こういう研究分野を広げていく、というようなビジョンを持って採用をすればいい。 何でも委員会でやっていては、それこそ「なんでもいいんかい」になってしまう。 大学のガバナンスが言われているが、ホントにそれが欠けている。 前にも書いたが、学生からベストティーチャーに選ばれるような人が非常勤で来ていても、そんな人は雇わない。 自分より能力の高い人を雇うのが恐いのか、と思ってしまう。 そのためには、もっと教員の流動性を上げないといけない。 失業保険も出るのだから、大学の先生も肩たたきをやるべきだとさえ思う。 ある意味、競争状態にならないと、年寄りの先生はどんどん手抜きになるし、若い先生は雇えない。 そういうことも記事には書いてはあるが、もっと前面に出していくべきだ。 投入する税金には限りがあるし、有効利用を考えないといけないのは火を見るより明らかだ。 大隅先生の回りにはそんな悪い人はいないかもしれないが…。 |
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