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2017.01.26 Thursday
不安世代
日本のミレニアル世代(2000以降に成人または社会人になった世代)は不安らしい。
ブルームバーグの記事で読んだ。 記事によると、今の30代半ばまでの若者は、世界的には将来に希望を持っているとのこと。 インターネットが当たり前の世代で、パソコンやスマホを使いこなし、その便利さを享受しているから、これからの社会でもやっていけると思っているのかもしれない。 ところが日本では、調査した18カ国中もっとも悲観的。 自らのキャリアの将来性に期待が持てない。 引退の年齢に関する質問では、「死ぬまで働く予定」という人が37%でトップ。2位が中国で18%だから、ダントツのトップということになる。 記事を引用すると、 「キャリアの将来性に悲観的なのは、雇用市場の流動性が低いことも一因だと池田氏は指摘。年金制度の持続性への強い不安感や賃金上昇の期待の低さが「死ぬまで働く」との回答につながっているとみる。 内閣府の「高齢社会白書」によると、日本の社会は1950年時点では高齢者1人を12.1人の現役世代で支えていたが、2015年には現役世代2.3人、60年には1.3人の現役世代で高齢者を支える見込みだ。世界に類を見ないスピードで進む少子高齢化による労働力不足や社会保障負担増などが、日本のミレニアル世代を待ち構える。」 という現実。 今の年功序列、終身雇用の中では、正社員になる障壁が高く、新卒一括採用と相まって、新卒で正社員になれなければなかなか途中で正社員になれない。 企業側から見ると、正社員を採用すると定年まで雇わないといけないということで、なかなか正社員は雇えないから、忙しいと残業で乗り切るか、非正規を増やさざるを得ない。 こういう日本社会の特徴がバブルの頃まではうまく回ったが、崩壊してからは悪魔のサイクルになった。 「雇用市場の流動性が低い」というのはそういうことだ。 おまけに社会保障費はどんどん増えていく。 書いてあるように、高齢化がすごいスピードで進み、医療費や年金が増えるからだ。 だから、労働力不足になっても、自分の給料がどうなるのか、という不安がある。 さらに、人工知能などというものが出てきたり、グローバル化で仕事がなくなるかもしれない。 今の日本の若者に希望を持て、といってもムリだ。 ちょっと考えれば、わかることだ。 政治家は票になる高齢者のことしか見ない。 年金を減らすというと、反対が起きる。 医療費を減らすための処方箋薬のネット販売すら実現しない。 保険請求をチェックして、不要な薬を出さないような仕組みづくりもできない。 日本中の病院の前に人が何人もいて、広々した処方箋薬局があるということに疑問を持つ高齢者はいないんだろうか。 若い人はそういうところに行かないからわからない。 規制を緩和して、生産性を上げていかないと、社会は回らない。 割りを食うのは、まわりまわって若い人たちだ。 それが少子化にも結びつく。 こんな状態では結婚や出産はできない。 これを解決するためには、それこそトランプ級の指導者が出てきて、小泉元総理がやったように「古い日本をぶっつぶす」ということくらいだろうか。 残念ながら、ぼくにはそう思える。 |
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