考えたこと2

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アメリカの初等中等教育改革
和田秀樹が、最近のアメリカ人のふるまいが変わったという記事を書いている。
サンフランシスコに行ったらしい。
自分が留学していた20年前と比べて、アメリカ人はよく働くようになった、という。
それは、シェアリング・エコノミーと言われるUber(自分の空いた時間でタクシーをするというシステム)などの影響が大きいのではないか、というのが彼の意見。

昔のアメリカ人は、個人主義が叩き込まれていて、一般の人たちが協力するということが少なかったが、これらのシェアリング・エコノミーの力が今や「生活保護バッシングや老人バッシングのように、福祉に頼る人をたたく国民性に日本人がなってしまったのと逆の方向性を感じた」と書かれている。

そして彼は、そこにアメリカの初等中等教育改革の成果をみる。
長いけれどもその部分を引用する。

「60年代に過度に自主性を尊重する、アメリカ版のゆとり教育のようなことをやって、深刻な学力低下に見舞われたアメリカは、レーガンが全米の学力調査を施行し、その結果を受けて、日本に倣った、計算や詰め込み重視の教育改革を行った。

 その教育を受けてきた人たちがUberやLyftの担い手である。

 それに対して、日本はゆとり教育をやり、それを廃したと思えば、またゆとり教育派が巻き返して、2021年の春からは東大を含めてすべての国立大学がAO入試化する。それをしないと予算を減らすと文部科学省が脅しをかけるような答申を出しているから、その通りになるだろう。

 テストの点が悪くても、面接や小論文で合格できるようになるのだ。入学希望書の作文などプロにやらせることだってできるが、それも採点の対象になる。

 格差社会化が深刻化し、消費不況も続いている。いいものでも高ければ買わないし、モデルチェンジしても買わないという買い控えはやみそうもない。年金をどんどん減らしていったり、介護施設を増やさなかったりという形で将来不安が強まれば、なお、これが深刻化するだろう。

 そして、Uberが白タクにあたるとかいって、緑ナンバーの車にしか認められないかと思ったら、民泊にも規制をかけて、180日以上やってはいけないと決まるそうだ。

 会社が首を自由に切れるような雇用規制の緩和をやるのに、一般市民が副収入が増えるようなことには、既得権益に遠慮してがっちり規制をかけたままだ。

 しかし、人間というのは不思議なもので、貧しいときや落ち目のときのほうが、もっと落ちたくないと保守的になる。

 アメリカは、その是非はおいておいて、変わろうとしてトランプを選んだ。日本は当分は自民党政権のままだろう。

 外国を知らないから、日本の落ち目は気づかれないが、ITの恩恵を最も受けていない国になっているのではないかとお先が真っ暗な気がしてしまうのは、私の被害念慮だろうか?」

最近、アメリカに行って、Uberなどの浸透を見た人の記事を時々見るが、それらの人々は本当に「アメリカは変わった」という感覚を持っている。
それには教育の改革の成果という部分も大きいと思う。

アメリカという国は、変えることに抵抗が少ない。
大統領が変われば、連邦政府のメンバーも総替えだ。
いろんな役職が変わる。
日本に比べて、トップダウンの意向が強い。

だから、既得権益は長い目で見たら守ることはできない。
そういう意味では既得権者には冷たい社会だと言える。
でも、一度脱落してもまた別のところで復活することができるからこそ、そういうことができる。
初等中等教育改革もそういう国だからやれるんだろう。

翻って日本は一度レールから落ちたら、なかなか戻れない。
高度成長期の成功体験をなかなか捨てることができないのだ。

年金のシステムなど、成長を続けることでしか成り立たないのに、いまだに変えることすらできない。
そのツケを若者に被せている。
非正規の問題も同じことだ。
中高年の正社員を守るために、いつでも切れる労働力を必要とした。
それが派遣社員だろう。
労働組合は正社員の味方であり、派遣社員の敵だと思う。

だから、若い人たちは将来像が描けず、結婚も出来ず、出生率は上がらない。

低成長にあった世の中を作っていかないといけない。
そのために、初等中等教育を変えていかないといけないと思う。
それと同時に若者に夢を持たせる社会を作っていかないと。

今の政治家にそういう思いはどれくらいあるんだろうか。


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