考えたこと2

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小学校の国語
今回の学習指導要領改定案で、小学校の英語が2020年から正式教科になる。
現在の小学校でも、5,6年生で週1コマは必修らしい。自治体によっては1年生からやっているところもある。
中沢良平氏という元小学校教師のブログに書いてあった。

それによると、教材は手作りで、現場はかなり苦労しているらしい。
しかし、手作りだから学年に合ったものができていないようだ。
中沢氏自身は小学校からの英語教育には賛成というスタンス。
でも、実際の現場のありさまを見ていると、残念な状況もあり、「小学校英語を考えるとき、英語学習の必要性と、実際の小学校英語の現場での残念さとは、分けて考えなくてはならないと思いました。必修化により教育現場にさらなる混乱を生まないか祈るばかりです。」と書いている。

カリキュラムを変えて、英語を必修化するなら、もっと現場の先生方を教育する必要があると思う。
明日から教えることになったからヨロシク、ではうまくいくはずがない。

人によっては、今回の必修化で英語が喋れるようになるかというと無理だという。
小学校5,6年で、年に70時間の英語教育は週に2回の指導ということになり、それでは中途半端だということだ。

さらに、小学校で英語を教えるのはもってのほか、という意見もある。

「英語を教える小学校で日本語がますます使えなくなる子供を作るような制度の中に、自分の子供を送りたいだろうか。
 英語を早く教え始めれば、みんな英語ができるようになると本気で信じているのだろうか。」

という。

早くから英語を教えたら、話せるようになる、という保証もないという。
確かに、中沢氏がいうように、今の小学校の体制ならやっても仕方ないという気もする。
今の状態なら「きちんとしたことを教えるには不安だらけの先生たちがせいぜいできることは、通俗的なカタカナ言葉だけを伝え、いい加減なお遊びになることでしかないだろう。」ということだ。

さらに、この記事で強調されているのは、日本語能力の低下だ。
「小学生に英語を教えてはいけない第2は、7歳〜11歳頃の母語をしっかり学ばせなければならない時期に、教科として「外国語活動」なるものがなぜ必要なのかという点だ。なぜ必修化しなければならないのか。」と書かれている。

これはぼくもそう思う。
まず日本語をちゃんと覚えないといけない。

今はインターネットで何でも手に入る時代。
料理をしようと思うと、クックパッドで検索すればいくらでもレシピがある。
材料、切り方、料理法などが書いてある。
だから、誰でもかんたんにできるかというと、そうでもない。
書いてあるやり方を見ても、よくわからない、という人がけっこういるという。
読み慣れていないから書いてあることがわからないのか、それとも面倒くさいだけなのか、それはわからないが、書いてあるやり方を見てやる(一部は写真も出ている)ということができないのだ。

そういう若い(といっても成人している)人が、そこそこいる。
彼らの小学校の国語の成績はわからないが、関係はあると思う。
やっぱり小学校は大事だ。
全ての基本だからだ。

何でも、グーグル翻訳がニューラルネットワークの技術で賢くなったらしい。
人工知能の力を使えば、そのうち外国語の壁は超えられるようになるのかもしれない。
今の小学生が大人になる頃には、かなり賢くなっているだろう。
そうなると、なおさら外国語よりも日本語が大事になると思う。

言葉を覚えることは大事だが、考えることはもっと大事だ。
考えるための言葉、それは母語だ。
母語をちゃんと理解しないと、考えることができない。

商社で勤めていた父も言っていた。
話すことよりも、話す内容を持っていることの方が大事だ、ということ。
そのためには、文章を読む力が必要だ。
本当にそう思う。

以前書いた、人工知能のプロジェクトをやっている新井教授も、「例えば原子力発電所の業務マニュアル。教科書より難しいことがマニュアルや仕様書、指示書には書いてあり、読めない人が作業をしたらリスクがある。これは資本・民主主義の危機ではないだろうか」と言っている。

これぞ本当の危機だ。
英語どころではない。

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