![]() |
2016.10.13 Thursday
アパレルの将来
ウソか本当かわからないが、IoT(モノのインターネット)の技術が浸透してくると業界のあり方も変わってくるかもしれない。
ユニクロの柳井会長兼社長は、2020年にスマホのアプリをインターフェイスにして、「お客様が柄、素材、サイズなどの選択肢の中から魅力的な組み合わせの服を選べる「セミオーダーメイド感覚」の販売方式を始める」と記事で言っている。 IoTの目的は、メーカーが作ったものを売るのではなく、ユーザーが自分の好きなように選んでその体験も含めて買うという形にできる、ということだろう。 スマホで選択肢を選んで、それをインターネットで工程に伝え、それを集めてくる仕組みを備えた工場が作れるということだ。 アパレル業界は縮小している。 業界の現状と課題によると、 「一言でいうと、残念ながら”日本は成長市場ではなくなってしまった“と言えるでしょう。過去10年くらいの推移を見てみると、市場規模は11兆円から8兆7千億円へと7%も縮小しています。その間、服の生産数は7億万枚増え、現在は40億万枚が市場に出回っています。みなさんもお分かりの通り、ファストファッションの参入が原因です。市場の40%のシェアをファストファッションが占めており、単価の減少を販売枚数で補っている市場構造になっています」 少子高齢化と人口減少が起こるからどうしようもない。 将来不安からみんな高いものは敬遠し、安くてそこそこのファストファッションがシェアを伸ばしている。 高いものはなかなか売れないのだ。 たくさんのブランドを持つオンワードが、中流の上を狙って失敗し、店舗の整理をしたのが象徴的。 IMFの推定でも、日本の成長率はダントツに低く、ゼロ成長に近い。 それを受け入れて、国内市場でやっていかなくてはならないのだ。 だから、アパレルも差別化が必要だし、日用品でもあるが嗜好品でもあるというところを生かして、自分の服を作るという体験も含めた「買い物体験」が必要なんだろう。 ユニクロの戦略はよくわかる。 服を作るところも一緒にやっているから、カスタマイズ生産をやりやすい。 問題は本当にそれができるのか、できるとしてもリーズナブルな価格でできるのか、というところだろう。 今までのように、中国で生産できるんだろうか。 スマホとインターネットというインフラができて、注文する方は簡単になった。 しかし安いコストで素材や柄やサイズを作る仕組みは、どこまで安く作れるんだろう。 素材や柄に注文したユーザーのタグを付けて、ラインを流し、加工する時にそのユーザーのサイズに合わせて加工するという仕組みは、きっと作ることができるだろう。 あとはどれだけ安く、人の手を介さずに作れるかということだ。 そういう製造ラインを作るコストも安くなってくる。 IoTが進むということはそういうことだろう。 これからはものを売るだけでなく、体験を売る時代になってくる。 それがユニクロの戦略だ。 勝ち組のアパレルメーカーはそういう仕組みづくりに進むのかもしれない。 そしてそれを輸出するのだ。 |
![]() |