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2016.10.12 Wednesday
SMAPもサラリーマン
時々ネットのニュースでジャニーズ事務所の記事を見るのだが、ここはご存知のように同族経営の中小企業という感じだ。
記事のなかには、SMAPの仲間割れに端を発して、事務所のタレントの誰が初代社長寄りとか、誰が副社長に気に入られているとか、そういうものもある。 SMAPの解散を国民的スターの解散騒動という目で見るとよくわからないことが多いが、同族経営の社長一族対生え抜きの社員という構図で見るとわかりやすい。 もともと彼らが解散という状態になったのは、同族会社の継承問題があったからだ。 要は社長一派と優秀な社員(SMAPのマネージャー)の争いが元ということだ。 ただ単にそれだけなら独立してオシマイだったのだが、同族経営がうまくいっており、関連の業界で強力な寡占状態になっていることが独立を妨げた。 今やテレビ局はジャニーズ事務所の気に入らない事をすると、歌番組どころかドラマなども制作に困るという。 だから、独立したら仕事がないという状態になるぞ、という脅しが効く。 そうなると、いくら国民的スターといえども躊躇することになる。 それが今年の1月の状態だった。 SMAPのメンバーにもいろいろと思いがある。 育ててくれたマネージャーを慕って5人揃ってついていけば、どうなっただろうか。 サラリーマンには常に辞める自由はあるからだ。 自分たちの人気が高ければ高いほど、ファンが後押ししてくれて、独立の成功率は高まる。 しかし、家庭を持っているキムタクが社長一派の要望で残留を決め、他のメンバーを説得した。 一説によると妻の意見に従ったということらしい。 そこで決定的にメンバー間に溝ができた。 それが今回解散、という結論になった(ということになっているが、真相は不明)。 でも、解散に反対するファンは多く、ツイッター上にはたくさんのファンの声が出ている。 強い事務所の中に、社長一族に気に入られている社員(タレント)と、どちらかというとその体制に反旗を翻したい社員に分かれてきているらしい。 もちろん後者は少数派だろう。 これが普通の会社なら、出ていった人たちに対してあからさまな妨害はできないが、商品がタレントで、そのタレントを番組に出すか出さないかということだから、難しい。 今年の暮には解散ということだ。 キムタクの人気は下降気味で、来年予定されている主演ドラマの相手役の女優がなかなか決まらないとのこと。 まあ、この記事もどういった経緯で書かれているのかはわからないが。 そういう図式で見ると、世の多くのサラリーマンはSMAPは独立してベンチャーを立ち上げ、そこで頑張ってほしいと思ってしまう。 寄らば大樹の陰、というのはアイドルにふさわしくない(と勝手に思う)。 そういうファンがキムタクをよく思わない。 悪いのは事務所なのだが…。 ぼくはよくはわからないが、女性のアイドル団体であるAKB48にはそんな感じはない。 卒業とかいって、独立していく。 AKB48の主体には、事務所を作って独占的にタレントを管理するという考えはないらしい。 メンバーはオファーがあった事務所に所属していき、独立も容易らしい。 これを見ると、ジャニーズは日本的なサラリーマンの体制であり、同族経営の中で長期的な雇用を狙っていて、AKBは自主独立の個人商店という感じがする。 いったんジャニーズに入って売れてしまったら、なかなか抜けられないだろう。 何となく、今の男子と女子の生き方の違いがそこに現れているような気がする。 世の中としては、強すぎるジャニーズの弊害を取り除く方向で進むような気がするのだが、それにどれだけの時間がかかるのか、わからない。 SMAPがその起爆剤になりそうなのだが…。 この問題も、働き方改革の一環になっているのかもしれない。 |
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