考えたこと2

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相馬に行く 1
何年ぶりだろうか。
新幹線に乗っている。
最後に乗ったのは、多分2010年代だとは思うが、定かでない。
ひょっとしたら2009年あたりの東京出張だったか。
当時、学部改組の仕事で文科省に行った。
あれが最後だったかもしれない。

新大阪の駅には長らくスズキのクルマがおいてあったが、その手前にダイハツのクルマも置くようになっていた。
時代の流れを感じる。
朝8時の新大阪発はさすがにほとんどサラリーマンだ。
なかにはノートパソコンを開いている人もいるし、何かの資料を読んでいる人もいる。
でもやっぱり爆睡している人が多い。
ぼくもたいがい京都に着く頃には寝ていたなあ。

大学で勤務した10年間は、出張といっても近場ばかりだったのであまり新幹線に乗ることもなかった。
何で新幹線に乗っているかというと、定年と同時に福島県の相馬市で、柄にもなくNPOに再就職した、会社時代の友人に会いに行くためだ。
いったいどんなNPOでどんな仕事をしているのか、興味があった。
それでメールを出して、一度会いに行って仕事場を見て、どんなふうにしているのか見せてほしいと頼んで快諾された。
原発の除染などの作業を見てみたいということもある。
1泊2日の旅行はちょっと高いが、暇でもあるので、行ってみることにした。

ずっと曇りだったが、横浜から雨が降り始めた。
品川に止まり、東京に着く。
新幹線の品川という駅にはあまり馴染みがない。
鬼平犯科帳では江戸の入り口として紹介されているが、今も同じだ。
東海道の江戸を出て最初の宿場町ということだろう。

東京について、東北新幹線に乗り換える。
はやぶさという列車の名前。
ぼくは、はやぶさというと第二次大戦中の戦闘機をまず思い出す。
今となっては、その名前が第二次大戦の戦闘機と同じだと思う人はどれくらいいるのだろう。
そういうことにアレルギーがある人がだいぶ少なくなったのか、それとも単に知らない人が増えたのか。

はやぶさの椅子はリクライニングと同時に座面が前にスライドするもので、これは座り心地がいい。
新幹線はモデルチェンジでどんどんよくなる。
何かしら工夫されている。
さすがメイドインジャパンだ。

大昔の新幹線の椅子はもっと分厚くて、座りにくく、前との距離も狭かった。
軽くて強い素材ができ、ボディも薄くなり、設計技術が上がって、車内が広くなった。

まもなく大宮に着く。
埼玉はいつから平かなになったんだろうなどと考えている間に出発する。
ここまで来ると、普通の地方都市だ。
そんなに高いビルもない。

大宮を出るともう次は仙台。
8時に大阪を出て、12時には仙台に着く。
便利になったものだ。

関西人にとっては、東北は心情的な距離が遠い。
昭和54年に会社に入った頃、関西出身のサービスの人に東北に実習に行ったらあんまり大きな声で関西弁で話したら、嫌われるという話を聞いた。
実際、店を追い出された人もいたとのこと。
紀伊国屋文左衛門が江戸時代に東北から人を集めて、和歌山で酷使したということが遠い原因だと聞いた。
当時は本当にそうかもしれないと思ったし、今もちょっとそう思っている。

元いた会社は福島県に工場があったが、ぼくの担当は静岡までだったので、ほとんど行かなかった。
たぶん25年の会社人生で、10回も行っていない。

最後の数年は毎月東京に出張していたが、そこから東北には足が向かなかった。
行こうと思えばいくらでも口実はつけられたが、行かなかった。
やっぱり馴染みが薄い。

東京駅で買った駅弁を食べる。
蕎麦屋の作った天むすという弁当。
小さなおむすびが5つ入っている。
海老天が入ったもの、昆布の入ったものなど。
いかにも駅弁という感じがして、旅行気分を満喫する。
ぼくは駅弁が好きだ。

隣の二十代とおぼしき若者はカツサンドと缶コーヒー。
やっぱり駅弁は和食やろ。
世代の差を感じる。
ぼくもいつの間にか年をとって、もうすぐ還暦というところ。
自分がそんな年になることを想像していなかったなあ。

東北新幹線はトンネルが少ないからいい。
勤めているときはもっぱら通路側だったが、今回は窓側にした。
景色を見ようと思ったからだ。
サラリーマンの一線を退くと、そういう余裕もできる。
大宮を過ぎて郡山付近を通ったが、田んぼと都市と工場が混じっている。

と思っていたら、福島を通過した。
あと15分ほどで仙台。
福島と仙台は近いんだ。
実際、相馬も新幹線で仙台まで行って、戻るという行き方。
これが一番早いという。
雨は降っていないが、雲が低い。
何か東北という感じになってきた。

その2に続く…

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